2013年公開の『そして父になる』でカンヌ国際映画祭審査員賞を受賞し、その後も『海街diary』、『海よりもまだ深く』、『三度目の殺人』と話題作を発表し続けている映画監督の是枝裕和さん。その出自は、実は「テレビ」だ。 大学卒業後、番組制作会社「テレビマンユニオン」に参加した是枝監督は、クイズ番組などのADを経て、ドキュメンタリー番組のディレクターに。社会問題など興味のある題材から企画を考え、テレビ局にプレゼン、取材を重ね、自ら編集する。企画立案から放送まで一貫して手がけるテレビディレクターの仕事は、オリジナル企画を立ち上げて、監督・脚本・編集を行う“是枝映画”の原点でもある。 2014年に独立し、制作者集団「分福(ぶんぶく)」を起業した是枝監督に、クリエイティビティを醸成するための組織づくりについて聞いた。 いい作品づくりのためにたどり着いた “会社未満”の会社のカタチ ――映画監督の西川