副題にある「青い芝の会」とは、1970〜80年代に日本社会に大きな衝撃を与えた、脳性マヒ者による運動団体。その中心人物の一人だった横田弘さん(2013年に急逝)のもとに通って聞き取りを続けていた若き研究者による、評伝ともいうべき一冊である。 「青い芝の会」の何が衝撃的だったのか。一つは、家族や支援者が中心だったそれまでの障害者運動と異なり、障害のある当事者たちが担い手であったこと。そして何より、自分たちに向けられる有形無形の差別に対して「戦闘的」とまで形容される徹底した姿勢で立ち向かい、糾弾したことだった。車椅子での乗車を拒否したバス会社に抗議するため、大勢で強引にバスに乗り込むなどしてバスの運行をストップさせたという「川崎バス闘争」に至っては、先日話題になったバニラ・エアの一件がかわいらしく(?)さえ感じられる過激さである(ように見える)。 横田さんが起草した青い芝の会の「行動綱領」もま