昨年、パリで起こったイスラム国による無差別テロと、日本の安保法制デモ――大杉栄や伊藤野枝などのアナキスト研究を専門とし、昨年8月に『現代暴力論』(KADOKAWA)を上梓した新進気鋭の政治学者・栗原康氏に、2015年のトピックについて独自の観点から分析してもらった。 ――昨年11月、フランスで、IS(イスラム国)と思われる組織によるテロが行われ、死者130名、負傷者も300名以上出るという痛ましい事件がありました。 栗原康(以下、栗原)「今回の事件について考えていて、まず思ったのは、空爆による報復をやめろということ。なぜかというと、やっていることが一緒だからです。イスラム国がやったのは、無差別殺戮。だから、みんなビビったわけじゃないですか。一人二人の政治家を狙うのとはちょっと違いますよね」 ――そうですね。それだったら従来のテロとしては認識できます。 栗原「テロ、テロと言われるけれども、そ