世界的な音楽家で、ニューヨーク在住の坂本龍一さん(66)が語ります。半世紀前の民謡との出会い、被災地を歩いて考えたこと、ローラさんへの言葉、辺野古への土砂投入……。テーマは「沖縄」です。 さかもと・りゅういち米ニューヨーク在住。78年イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)結成。映画「戦場のメリークリスマス」「ラストエンペラー」に出演、音楽を担当。被災3県の子どもたちで編成する「東北ユースオーケストラ」の監督も務める。 ◇ 初めて沖縄に行ったのは復帰直後の1975年ごろ、20代前半でした。僕はそれまで外国にも行ったことがなく、街の色や米軍基地の存在感の大きさを見て、「これは日本でも沖縄でもない。アメリカだ」という現実に目を見開かされました。 沖縄との出会いは高校生のころ。民謡にひかれました。インドネシアやアフリカの音楽に興味をもち、大学で民族音楽も学ぶのですが、その中でも沖縄は、一番近い