東京電力福島第1原発の作業などで被ばくして白血病になったと労災認定された北九州市在住の元作業員の男性(42)が11月22日、十分な被ばく対策を怠ったとして、東京電力と九州電力に対し、原子力損害賠償法にもとづき約5900万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。男性の代理人によると、福島原発事故の収束作業で労災認定された労働者が起こした初めての訴訟だという。 訴状などによると、男性は2011年10月から12年1月にかけて、福島第2原発の建屋耐震工事に従事。12年1月から3月にかけては、九州電力玄海原発で定期点検工事にたずさわった。さらに12年10月から13年12月までは、福島第1原発でカバーリング工事などに関わった。その間の被ばく量は計約20ミリシーベルトだった。 男性は2014年1月、急性骨髄性白血病と診断された。その後、死の恐怖にさいなまれて、ふさぎ込むようになり、同年5月にはうつ
運送大手「ヤマト運輸」の横浜市にある支店が、残業代未払いなどを理由に、横浜北労働基準監督署から是正勧告を受けていたことが分かった。神奈川労連が11月16日、東京・霞が関の厚労省記者クラブで発表した。是正勧告は8月25日付。 労連によると勧告内容は、(1)休憩時間が法定通り取得できていないこと(労働基準法34条違反)、(2)時間外労働に対する賃金が支払われていないこと(同37条違反)。 30代の元セールスドライバー2人が労連に相談し、労基署に実態を申告していた。労連によると、荷物の取扱量が増え、2人は昼食時間をほとんど取れていなかった。また、タイムカードがあるにもかかわらず、配達時間を管理する携帯端末の稼働時間で労働時間が計算されていた。結果として、始業前の業務や、配達終了後に行なった翌日への引き継ぎ作業などの大部分が、労働時間としてカウントされていなかったという。 このうち1人は、辞めるま
出演強要問題に揺れているアダルトビデオ(AV)業界。業界歴約30年の男優「辻丸」(つじまる)さんも、女優を拷問、罵倒するなどのサディスティックな作品で、人権侵害的な撮影を経験してきたという。「昔と比べてクリーンにはなったけれど、グレーな体質は残っている」(辻丸さん) 辻丸さんは「AVで食ってきたので是非もない」として、男優を続けているが、女優に対する後ろめたさから、ツイッターやブログで業界の問題点を独自に発信している。辻丸さんによると、AVを取り巻く問題の根幹には、男社会における女性の自由意志や解放などの「女性問題」があるという。どういうことなのだろうか。 ●「男尊女卑」「女の敵は女」という考え方 −−強要問題に対する業界内の反応をどう見ていますか? 「男尊女卑」と「女の敵は女」という2つの問題があると感じています。まず「男尊女卑」ですが、今回の問題で意見を発信しているのは女優ばかり。業界
アダルトビデオ(AV)への出演強要問題をめぐっては、多くの業界関係者がネットを使って意見を表明している。しかし、女性に比べて、AV男優や監督が名前を出して情報発信していることは少ない。 一体、業界の男性たちはこの問題をどう捉えているのだろうか。ブログやツイッターで積極的に意見を発信している業界歴約30年の現役AV男優「辻丸」(つじまる)さんに話を聞いた。 前編となるこの記事では、辻丸さんが見聞きした強要の実態、後編では健全化に向けた業界内外の動きについての意見をまとめる。 ●無理やりAV女優にすることは減った −−AVへの出演強要を見聞きしたことはありますか? 僕は女の子が「AVなんて聞いていません」と言うのを脅したり、なだめたりという現場に出くわしたことはないんです。ただ、その手の話は昔よく聞きました。 たとえば、僕がデビューした頃に聞いた、有名AV監督の手口。その人はPVの撮影と称して
関東地方を中心にパソコンやスマートフォンの販売、サポートなどの事業を展開する「PC DEPOT」(PCデポ)が、高齢者に不相応なサービス契約を結んでいた問題が、波紋を広げている。インターネット上で批判が高まったことを受けて、運営会社ピーシーデポコーポレーションは改善策を打ち出したが、消費者問題にくわしい弁護士は「そもそも契約に問題点が多い」と指摘している。 ●「本人に必要ない契約を結んでいたのはおかしい」 ことの発端となったのは、契約者の息子であるケンヂさん(アカウント名)が8月14日にツイッター上におこなった次のような投稿だ。 「80過ぎの独居老人である父が、PCデポに毎月1万5千円の高額サポート契約を結ばされてました。解約に行ったら契約解除料10万円を支払わされました」 ケンヂさんに取材したところ、80代の父親は数年前から、認知症を患っているという。もともとパソコン好きで、近年はPCデ
一橋大学構内で2015年8月に起きた男子学生の転落死事故をめぐり、両親が同級生と一橋大を相手に、計300万円の損害賠償を求めて、裁判を起こしている。男子学生は同性愛者で、被告の同級生男性から周囲にアウティング(暴露)され、心身の不調に悩まされていたという。 原告はこの同級生の男性に対し、男子学生に精神的苦痛を与えたとして100万円を、大学側に適切な対応を取らなかった安全配慮義務違反などがあったとして200万円を求めている。提訴は3月25日付。 8月5日に東京地裁であった第1回口頭弁論後、東京・霞が関の司法記者クラブで、原告側代理人の南和行弁護士と吉田昌史弁護士が記者会見を開いた。アウティングによる裁判は珍しいそうで、吉田弁護士は「アウティングは、同性愛者の方が問題という視点で見られがちだが、加害的な行為で、アウティングした側に問題があるという理解を得たい」と語った。 ●生前「人生が足元で崩
東京都内の精神科クリニックの元患者が「他の高齢患者の送り迎えや歩行訓練の補助といった労働を、無償でさせられた」として、クリニックの運営団体や関係先を刑事告訴した。最低賃金法や労働基準法に違反するとしている。東京都大田区に住む元患者の男性(50)は10月14日、告訴状が上野労基署に受理されたとして、都内で記者会見を開いた。 この男性は、東京都台東区にあるクリニックに患者として通っていた今年4月2日から8月7日にかけて、そのクリニック内で高齢患者の送迎や歩行訓練を補助する業務を、無償あるいは時給111〜125円の低賃金でさせられた、と主張している。 代理人の中川素充弁護士は「高齢患者の送迎補助は、患者の転倒リスクを伴う危険な作業。歩行訓練補助は治療行為にかかわる作業で、本来どちらも職員がやるべきものだ。それを他の患者にさせるなんて、他の医療現場では考えられない」と、クリニックの姿勢を批判した。
政府は3月4日、これまで「モノ」と見なしてきたビットコインなどの仮想通貨に「貨幣の機能」を持つと認定する法規制案を閣議決定した。資金決済法を改正する方針だという。 報道によると、仮想通貨の取引所は登録制とし、金融庁が監督官庁になる。法改正案には「仮想通貨」の定義として、2点を明記。1つは物品購入などに使用できる「交換の媒介」の機能。もう1つが不特定を相手にした購入や売買を通じて「法定通貨と交換」できることだ。 今回の動きをどう見ればいいのか。金融法務に詳しい片岡義広弁護士に聞いた。 ●仮想通貨の本体は電子的な「財産的価値」 「まず、今回、仮想通貨が貨幣として『認定』されるといった一部報道がありましたが、厳密にいうと法的には誤りです。正確には、次のようなことです。 (1)ビットコインなどの仮想通貨が支払手段として利用され、または通貨(法定通貨)と交換する業務が規制法の対象となる (2)その結
水害対応で残業した茨城県常総市職員の給与について、同市の遠藤章江市議が市議会の一般質問で「もらう権利はあるが、全国から来たボランティアが無償で働いている中、市職員が多額の給与をもらうことに市民から疑問の声が上がっている」と発言したと毎日新聞に報じられたことに対し、遠藤市議は12月6日、自身のブログで「言葉尻だけを抜き出し、都合のよい具合に記事をまとめ上げ、質問の内容を正確に伝えていない」と反論した。 ●「職員に残業手当を支給することを批判したものではない」 毎日新聞の報道によると、豪雨の影響により鬼怒川が決壊した9月10日〜30日までの同市職員の平均残業時間は139時間で、最も多い人で342時間だった。12月4日に開かれた市議会で、遠藤市議の一般質問に答えて明らかにした。残業への対応により、9月分の給与が100万円を超えた職員は十数人おり、残業代と管理職への手当を合計すると1億3000万円
2015年11月に行われたミャンマーの総選挙に、変わった経歴の候補者がいることを知った。彼の名前はモー・ミン・ウー。ミャンマーの元俳優にして元難民だという。生まれはミャンマーだが、政治難民として日本に暮らし、中学入学から大学卒業までの16年間を日本で過ごしたという。めずらしい経歴に興味を持った私は、ビデオカメラを持って彼の選挙戦を追いかけることにした。(岸田浩和) 日本帰りの元俳優というだけあって、都会的で洗練された印象のモーさんのことだから、都心部の選挙区で戦うものだと思っていたら、とんでもない山間部の小さな町から出馬するという。さらに、耳にしたことのない新興政党からの出馬だと聞き、耳を疑った。 ゆかりのない山間部に拠点を移し、国民的な人気を誇る、アウン・サン・スー・チー氏率いるNLDからの出馬を選ばなかったことには、何か理由があるに違いない。疑問を直接確かめるため、ヤンゴンから車で18
作家の町田康さんが現代語に訳した古典文学「こぶとりじいさん」が、「おもしろすぎる」とネットで話題になっている。 町田さん訳の「こぶとりじいさん」は、河出書房新社の「日本文学全集・宇治拾遺物語(うじしゅういものがたり)」に、「奇怪な鬼に瘤(こぶ)を除去される」という題名で収録されている。作品は、出版社のウェブページでも無料で公開されている。 「ここまで言うんだからマジじゃね? やっぱ、瘤、いこうよ、瘤」「もしかしてマジで夢? そう思ったお爺さんは右の頬に手を当てた」など、町田さん独特のポップな文体で語られている。 読者からは「活字苦手なわたしでも楽しく読めた」「どれも町田康小説のように面白い。というか、これは訳ではなく町田康作品そのものである」など、絶賛する声がツイッターで数多くつぶやかれている。 「宇治拾遺物語」は、中世日本の物語集だが、古典であれば、誰でも自由に現代語に訳していいのだろう
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く