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ブックマーク / www.shinchosha.co.jp (25)

  • 新潮 2021年2月号 | 新潮社

    私はただの地味な、真面目な、あんまりよう喋らんけどひとに気ばっか使ってる事務員で、途中で正職員にはなったけど、もともと長いことあの法律事務所に派遣で通ってて、途中から直の契約職員になって(所長はほんまはこれ派遣元との契約違反やねんけどなって笑ってた、あのひといい人やったな)、そのあとまた長いこと働いて、四十すぎて正職員にしてもらった。 それだけ君は仕事できるからってみんな言ってくれて、それは私もうれしかった。でも、仕事を「やりすぎる」と、それはそれで、たかが事務員にそこまでされたって言って怒る先生もいて、だからそういうことも仕事のうちで、私は二十年ぐらいここの事務所に勤めるあいだに、気を遣う、ということも含めて、そういう仕事をたくさん覚えていって、だから正職員になったんやと思う。 西天満の、画廊の上の、小さな法律事務所。 南森町で地下鉄をおりて、五分ぐらい西に歩く。なんか高級そうな寿司屋と

    新潮 2021年2月号 | 新潮社
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    nstrkd 2021/01/11
  • 小林秀雄賞:斎藤環さん、與那覇潤さん  新潮ドキュメント賞:横田増生さん  受賞スピーチ | News Headlines | 新潮社

    斎藤環サイトウ・タマキ 1961年、岩手県生まれ。精神科医。筑波大学医学研究科博士課程修了。爽風会佐々木病院等を経て、筑波大学医学医療系社会精神保健学教授。専門は思春期・青年期の精神病理学、「ひきこもり」の治療・支援ならびに啓蒙活動。著書に『社会的ひきこもり』、『中高年ひきこもり』、『世界が土曜の夜の夢なら』(角川財団学芸賞)、『オープンダイアローグとは何か』、『「社会的うつ病」の治し方』ほか多数。 與那覇潤ヨナハ・ジュン 1979年、神奈川県生まれ。歴史学者。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。学者時代の専門は日近代史。地方公立大学准教授として教鞭をとった後、双極性障害にともなう重度のうつにより退職。2018年に自身の病気と離職の体験を綴った『知性は死なない』が話題となる。著書に『中国化する日』、『日人はなぜ存在するか』、『歴史がおわるまえに』、『荒れ野の六十年』ほか多数。

    小林秀雄賞:斎藤環さん、與那覇潤さん  新潮ドキュメント賞:横田増生さん  受賞スピーチ | News Headlines | 新潮社
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    nstrkd 2020/11/21
  • 『図書室』 岸政彦 | 新潮社

    たとえば電車の中で、笑顔で揺られている家族を見たとき。古い瓦がただ光っているのを見たとき。踏切をゆっくりと横切る黒を見たとき。駅前の数えきれない人々にまぎれて歩くとき。自分はいま確かに生きていて、現在の出来事を見ているはずなのに、誰かの、何かの記憶の中にいるように感じることがある。つまり、いま目に映っている光景は同時にその光景の過去でもあるのだから、その意味で、いま生きている人にこうして会っているということは、じつは死者と会っていることと変わらないのではないだろうか。子どもの頃から誰にもうまく伝えることのできなかったそんな感覚が、物語になって目の前に差し出された気がした。岸政彦の二作目の小説集『図書室』は、私にとって奇跡のような一冊である。 語り手の美穂は五十歳。大阪での静かなひとり暮らしの日々は、様々な記憶を呼び寄せる。小学生の頃。スナック勤めだった母が作り置きするカレーやおでん。たく

    『図書室』 岸政彦 | 新潮社
  • ソナーリ・デラニヤガラ、佐藤澄子/訳 『波』 | 新潮社

    作者や作品の内容について、まったく予備知識なしに読みだすことは稀である。ところが、今回はそうだった。年末の慌ただしい時期に届いたゲラの束。しかも作品の名前が誌と同じ『波』だったのでタイトルすらもスルーしていた。 いざ読みはじめると、ページをめくるごとに心臓がドキドキしてきた。いったいこれはどういう作品なのか。フィクションなのか、ノンフィクションなのか。文学的な香りが高く小説のようでもある。心の準備なしには先に行けない気がして、禁(といっても自分が設けたものだが)を犯して後の訳者あとがきを読んだ。ノンフィクションとわかり、深呼吸して元のページにもどった。 2004年クリスマスの翌日、スマトラ島沖で巨大地震が起き、それによる津波がスリランカの海辺に大災害をもたらした。観光客で賑わっていた時期で、ニュースでも悲劇が取り沙汰されたのでご記憶の方もいるだろう。書はその高波に呑み込まれながらも、辛

    ソナーリ・デラニヤガラ、佐藤澄子/訳 『波』 | 新潮社
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    nstrkd 2019/02/02
  • 近藤雄生 『吃音―伝えられないもどかしさ―』 | 新潮社

    まとめとは? 日常的な身の回りの出来事から、世界を揺るがすニュースまで、が扱うテーマは森羅万象。四季折々の年間イベント、仕事、暮らし、遊び、生きること、死ぬこと……。さまざまなテーマに沿うの扉をご用意しました。扉を開くと読書の興味がどこにあるのか見えてきます。 日のお宝からおうちごはんまで、最強の参考書3選! 〈とんぼの〉は、1983年の創刊。 美術、工芸、建築、写真、文学、歴史、旅、暮らしをテーマにしたビジュアルブック・シリーズです。

    近藤雄生 『吃音―伝えられないもどかしさ―』 | 新潮社
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    nstrkd 2019/02/02
  • 「新潮45」2018年10月号特別企画について | News Headlines | 新潮社

    まとめとは? 日常的な身の回りの出来事から、世界を揺るがすニュースまで、が扱うテーマは森羅万象。四季折々の年間イベント、仕事、暮らし、遊び、生きること、死ぬこと……。さまざまなテーマに沿うの扉をご用意しました。扉を開くと読書の興味がどこにあるのか見えてきます。

    「新潮45」2018年10月号特別企画について | News Headlines | 新潮社
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    nstrkd 2018/09/23
  • 保坂和志 『ハレルヤ』 | 新潮社

    まとめとは? 日常的な身の回りの出来事から、世界を揺るがすニュースまで、が扱うテーマは森羅万象。四季折々の年間イベント、仕事、暮らし、遊び、生きること、死ぬこと……。さまざまなテーマに沿うの扉をご用意しました。扉を開くと読書の興味がどこにあるのか見えてきます。 日のお宝からおうちごはんまで、最強の参考書3選! 〈とんぼの〉は、1983年の創刊。 美術、工芸、建築、写真、文学、歴史、旅、暮らしをテーマにしたビジュアルブック・シリーズです。

    保坂和志 『ハレルヤ』 | 新潮社
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    nstrkd 2018/07/29
  • 創る人52人の「激動2017」日記リレー 「新潮」3月号特集(2/7発売) | News Headlines | 新潮社

    「新潮」2018年3月号(2月7日発売)は、特集『創る人52人の「激動2017」日記リレー』をお届けする。100頁に迫る超大型企画だ。小誌の日記特集としては東日大震災の年2011年以来のもの。文学者を軸としつつ、さまざまな文化領域の「創る人」全52人が昨2017年(計52週)の日記を綴った(1週ごとのリレー形式)。執筆陣は以下をご覧いただきたい。 トランプ大統領就任、衆院選(自民圧勝)、世界各地でのテロ、北朝鮮危機、人工知能の成長と普及、ビットコイン熱の乱高下――世界が激動を続けた一年を「創る人」はいかに生きたのか? 時に時代に抗い、時に日常生活を大切に守り、創造し続けた彼ら彼女らの日記がひとつになった時、〈集合的時代精神〉というべきものが浮かび上がった。そのことに興奮を禁じ得ない。 新潮編集長 矢野 優 『創る人52人の「激動2017」日記リレー』執筆陣 大城立裕(小説家)→神里雄大(

    創る人52人の「激動2017」日記リレー 「新潮」3月号特集(2/7発売) | News Headlines | 新潮社
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    nstrkd 2018/02/05
  • | 新潮社

    新潮社がお届けする新潮社の文学賞の情報

    | 新潮社
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    nstrkd 2017/08/19
  • 決定版名言集、満を持して刊行! | 新潮文庫メール アーカイブス | 新潮社

    先日、アンドロイドとして私たちの世界に帰ってきた夏目漱石は、2016年12月9日に没後100年、2017年2月9日は生誕150年を迎え、今再び注目を集めています。(少々ややこしいですね。亡くなってから、生まれる。その作品のように不滅の作家、と覚えて頂ければ。) 重厚な描写を重ねることで人の心を学ばせてくれる、そんな印象の強い作家ですが、意外にも、「名言」と呼ぶべき力強い文句も数多く生み出しています。 「進んで止(とど)まる事を知らない科学は、かつて我々に止まる事を許して呉(く)れた事がない。」(行人) 「教育もない身分もない婆(ばあ)さんだが、人間としては頗(すこぶ)る尊(たっ)とい。」(坊ちゃん) 「どんな夫でも構いませんわ、ただ自分に好(よ)くして呉(く)れさえすれば」(道草) などなど。 この度、そういった文句をぎゅぎゅっと集めた一冊が刊行されました。 ずばりタイトルは、『生れて来た

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    nstrkd 2017/04/13
  • 新潮文庫創刊100年記念アンソロジー「新潮ことばの扉」刊行開始! | 新潮文庫メール アーカイブス | 新潮社

    ページという扉を開くと美しい言の葉があふれる。 詩歌、俳句、短歌、小説……。各世代が愛した名品を精選し一冊にした100年記念アンソロジーを刊行いたします。 太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪ふりつむ(三好達治) ふるさとは遠きにありて思うもの(室生犀星) こだまでしょうか、いいえ、誰でも……。(金子みすゞ) 教室で、街角で、広告から。私たちの心に確かに刻まれ、いつしか忘れてしまった美しい日語の響きが、小さな文庫という扉の向こうからもう一度あふれ出します。まず、第一弾として1950年代から2010年代まで各世代が愛した名詩100篇を一冊に精選しました。 愛誦・愛読した名作だけを一冊に。 新潮文庫100年記念アンソロジー「新潮ことばの扉」 今後の刊行スケジュール

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    nstrkd 2017/04/13
  • 新訳・復刊セレクション「村上柴田翻訳堂」|新潮社

    世の中には実にたくさんの文庫が溢れておりますが、それでも書店の棚のスペースには限りがあり、毎月押し寄せる新刊に追われるようにして、古い文庫が静かにひっそりと退場していきます。そのように姿を消していった作品の中には、「この名作が手に入らないというのは間違っているぞ」と苦情を呈したくなるものもあれば、「個人的にはけっこう好きだったんだけど、やはり生き残れなかったか」と淋しく感じてしまうものもあります。そういういくつかの作品を拾い上げ、もう一度何らかのかたちで新刊として復活させることはできないものかと、常々考えていたのですが、同じような思いを抱いていた柴田元幸さんと組んで、今回このようなシリーズを立ち上げることができました。あくまでささやかな企画ではありますが、ぼくら二人が面白く読んだを選びました。楽しんでいただければと思います。 村上春樹 これまで二十七年くらい、主として現代アメリカ小説

    新訳・復刊セレクション「村上柴田翻訳堂」|新潮社
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    nstrkd 2017/01/31
  • 村上春樹 Haruki Murakami 新潮社公式サイト

    あなたがこの物語を読み終える時、 すべてがこれまでと違って見えるだろう。 まるで、どこかでレールが切り替わったように…

    村上春樹 Haruki Murakami 新潮社公式サイト
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    nstrkd 2017/01/11
  • 『ビニール傘』 岸政彦 | 新潮社

    バーチャルリアリティ装置を体験したことがある。 専用の小型ディスプレイを頭に装着すると360度の映像を見ることができるのだ。周囲に広がるのは海辺だったり、城のなかだったり。まるでそこにいるかのような没入感を得ることができる。 この「ビニール傘」もそれに負けないぐらいの没入感が得られる小説である。 バーチャルリアリティ装置は外せば「あーおもしろかった」で終わりだが、書は読み終わってもその感覚が消えない。手に小説のなかのギシギシとした手触りが残っている。 幹線道路の路肩にたまる黒い粒を、陽の当たらない部屋で寝ている女の髪を、ユニットバスの便座の裏にこびりついているであろう汚れを。書いてないところまで思い出せる。 この没入感を出すために著者は細かく何度もディテールを描き込んでいる。 そして小説から空間と時間のつながりも抜いてしまった。辻褄から解放された生活の断片はより一層エッジが際立って高解像

    『ビニール傘』 岸政彦 | 新潮社
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    nstrkd 2017/01/01
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    nstrkd 2016/04/11
  • 『脱資本主義宣言―グローバル経済が蝕む暮らし―』 鶴見済 | 新潮社

    ――ミリオンセラーになった『完全自殺マニュアル』をはじめとして、九〇年代には精力的に執筆活動を続けていた鶴見さんにとって、このは実に十二年ぶりの新刊となります。この間はどういったことをされていたのでしょうか? よくデモに行ってましたね。国内では「格差」や「貧困」が問題とされるようになった頃からですが、それまでも「楽に生きること」をテーマに文章を書いてきたので、そういう「生きづらさ」にも文句を言わないとまずいだろう、ということで。それからもともと植物を育てるのが好きだったんですが、その流れで、畑で自然農を始めました。自給できるほどではないですが、べ物を作ってべていると、「来、生きるとはこういうことだったはずなのに」と感じるようになりました。今我々は、生きるのに必要なものは、全部お金を出して買っていますよね。そのために「働いてカネを稼ぐこと」が「生きること」になっている。でもこうなった

    『脱資本主義宣言―グローバル経済が蝕む暮らし―』 鶴見済 | 新潮社
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    nstrkd 2015/06/04
  • 考える人

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    nstrkd 2015/03/02
  • 考える人

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    nstrkd 2015/02/14
  • 村上春樹がなんでも答えます!期間限定サイト「村上さんのところ」1月15日 (木)午後オープン!|新潮社

    村上春樹があなたのメールに“できる限り”答えるサイト「村上さんのところ」がオープンしました。いろいろな質問・相談をお待ちしています。

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    nstrkd 2015/01/06
  • 立ち読み|波|新潮社

    透明な迷宮 平野啓一郎 深夜のブダペストで、堕落した富豪たちに衣服を奪われ、監禁されてしまった日人カップル。「ここで、見物人たちの目の前で、愛し合え──」あの夜の屈辱を復讐に変えるために、悲劇を共有し真に愛し合うようになった二人が彷徨い込んでしまった果てしない迷宮とは? 美しく官能的な悲劇を描く最新小説集。 ISBN:978-4-10-426009-6 発売日:2014/06/30 見えそうで見えない 平野 今回、装幀にムンクの「接吻」という絵を使って菊地信義さんにデザインしていただいたんです。 又吉 見えそうで見えなくてすごく格好いい装幀ですね。平野さんが国立西洋美術館で手掛けた企画展「非日常からの呼び声」で、ムンクの版画の実物を僕も見て、メチャクチャいい絵やな、と思ってました。 平野 人は何で人を好きになるのか、ある決定的な出来事があってなのか、長い歳月の積み重ねなのか

    立ち読み|波|新潮社
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    nstrkd 2014/08/12