先週土曜にNHK教育で放映されたETV特集「辞書を編む人たち」が、きょう(5月2日)深夜0時から再放送される。この番組の冒頭では、「無人島に一冊だけ本を持っていくとしたら?」と問われると、少なからぬ人が“辞書”を選ぶ――という話がとりあげられていた。 同様の話は、昨年岩波新書から出た増井元『辞書の仕事』にも出てくる。そこでは、村上春樹の「無人島の辞書」と題するエッセイのほか、やはり「無人島に辞書を」派の代表格である井上ひさしが、持参するなら『広辞苑』と具体的に書名をあげていたことなどが紹介されている。もっとも井上は“自身があちこちに書きこみをした『広辞苑』”と断っており、それがいかにも日本語に終生こだわり続けた彼らしい。 無人島に辞書を持参したいという人は、古今東西を問わないようだ。現在はスペインの自治州であるカタルーニャのアウグスティ・カルベットという作家は、自分がもしロビンソン・クルー