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ブックマーク / jbpress.ismedia.jp (136)

  • 経済危機を凌ぐフランス:違いに万歳!  JBpress(日本ビジネスプレス)

    フランス北部ピカルディ地方の街ボーヴェでは、地上60メートルを超える高い所でフランス流の景気刺激策が進行中だ。小さな絵筆とサンドブラスターを手にした職人たちが足場の上で、14世紀ゴシック様式の大聖堂の傷んだ壁面を手入れしているのだ。 200万ユーロ(270万ドル)かけた修復工事は、総額260億ユーロに上る景気刺激策の一環としてフランス政府が策定した1000件のプロジェクトの1つ。 フランスの刺激策には、高速道路や港湾、そして高速鉄道網TGVの改良のような一般的な公共事業と並び、歴史的な大聖堂や教会の修復も含まれている。 危機のさなかでも、フランス人はやることが違う。米国から消費者の需要喚起に努めよと説かれても、フランスの景気刺激策はディリジズム(統制政策)の伝統に倣い、大聖堂修復も含むインフラへの前倒し投資に大きく偏っている。 重い税金と厳格な規制、保護を伴う慈善的な国という点では

  • 欧州の銀行は生き残れるか? 明かされていないストレス JBpress(日本ビジネスプレス)

    (2009年5月14日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) ティモシー・ガイトナー氏にとって、それは「前例のない」明瞭さをもたらしてくれた。ペール・シュタインブルック氏にとって、それは「役に立たない」ものである。 銀行のストレステスト(健全性審査)の有効性に対する米国財務長官とドイツ財務相の驚くほど対照的な見解は、積極的な米国と慎重な欧州との政策の違いを浮き彫りにするようになった、もう1つの「金星人と火星人*1」の局面を生んでいる。今回の違いは金融危機にいかに対処するかについて、だ。 実際、2年近く前に信用危機が始まってから、大西洋を挟んだ欧米双方で、バンカーや政策立案者たちは何かと言えばすぐに対岸の相手方を非難してきた。 米国の投資銀行が有毒な債務証書で多額の損失を発表した時には、経営幹部らはすぐさま、欧州の投資銀行はまだ同じ痛みを味わっていないと指摘した。そして昨年、米リーマン・

  • 銀行業界:3兆ドルの損失を出した後・・・  JBpress(日本ビジネスプレス)

    銀行にとって、これほどの好機があるだろうか。資金と勇気があれば、市場にはチャンスが満ち溢れている。ゴールドマン・サックスはそれをよく理解し、再びリスクを取り始めている。 政府が高レバレッジを是認し、金融システムの大部分を保証しているため、銀行は利益を懐に入れられる一方、損失は納税者に押しつけられる。 国有化の懸念は薄れ、銀行の株価は回復している。金利は低く、預金は豊富にあり、借り手は必死になっているため、新規の融資は高い利益率が見込める。 金融崩壊の前、銀行の利益は大きいように見えた。今はそう見えるだけでなく、当に大きいのかもしれない。 この幸運は意図的に作られたものである。政府と規制当局は、およそ3兆ドルの評価損を計上した銀行が利益を上げ、なるべく早く健全な状態を取り戻すことを望んでいる。これは銀行業界が国から引き出した非常に好条件の取引の一部だ。 納税者は、自分が保証人にな

  • ドイツの「バッドバンク」構想は会計操作 銀行問題の先送りで危機が長引く恐れ JBpress(日本ビジネスプレス)

    (2009年5月18日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 米国に次いで大きな銀行問題を抱えている国は、恐らくドイツだろう。ドイツ政府は先週、詳細の検証に値する銀行救済計画を閣議決定した。欧州の危機がどれだけ長引くのか知りたければ、これがその答えを出してくれるかもしれない。 米国のいわゆる「ガイトナー・サマーズ」計画には、2つの重要な柱がある。市場の存在しない仕組み金融商品を分離する戦略と、銀行システムの資を増強する戦略だ。2つとも、現実味を欠く楽観的な仮説に基づいているように見え、そのために厳しい批判を浴びてきた。 ドイツの対策は、仕組みがかなり異なる。これには不良資産を分離するプランしかなく、しかも任意だ。 バッドバンク構想の実態 ドイツ政府が先週提出した法案では、個々の銀行がバッドバンクの設立を申請できる。バッドバンクは実際、銀行ではない。そもそも今回の危機の引き金となった

  • 世界一便利な電子政府を! 霞が関クラウド戦略(下) | JBpress (ジェイビープレス)

    は世界で最もブロードバンドのインフラが整備された国だ。しかも、料金の安さも世界一。それにもかかわらず、ダボス会議を主催する世界経済フォーラムが3月発表した情報通信分野の国際競争力ランキングによると、日は第17位に留まった。 その最大の理由は、「官」にある。「行政のネット利用」34位、「オンライン行政手続きの普及」51位と大きく立ち遅れた。グローバル競争が激しくなる中、日の国際競争力を引き上げていく上で、電子行政の実現は喫緊の課題と言えよう。(稿中意見にわたる部分は筆者の個人的見解です) 電子政府化が進んだ韓国では、政府の行政安全部が運営する「行政情報共同利用センター」が42種類もの行政情報を提供する。住民登録謄、地方税支払証明書など様々な公文書を、ネット経由で取得した上で自宅のプリンターで印刷できる。証明書には2次元バーコードが印刷され、原の記載情報が埋め込まれている。偽造は

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  • 米国のデフレ:「2つの悪」の悪い方  JBpress(日本ビジネスプレス)

    (英エコノミスト誌 2009年5月9日号) インフレは悪いが、デフレはもっと悪い。 カントリーウエスタンの調べに乗せ、甘い声で風刺メッセージを歌う異色のシンガー、マール・ハザード氏は、金融政策を巡る混乱を誰よりも的確に描写している。 「インフレかデフレか?」と同氏は歌い上げる。「分かっているなら教えてほしい。我々はジンバブエになるのか、それとも日になるのか?」 一体どうしたら、1930年代以来最悪となる米国の景気後退によるデフレ圧力と、金利を事実上ゼロまで引き下げ、バランスシートを急激に膨らませた米連邦準備理事会(FRB)の積極的な政策対応の両方から身を守れるのだろうか。 ノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマン氏は5月4日、日式のデフレが迫っていると警告した。一方、FRBの歴史の研究で名高いアラン・メルツァー氏は、1970年代に起きたインフレの再来を予想している。両氏の主

  • ソフトウエアは「雲」の中から・・・ 霞が関クラウド戦略(上) | JBpress (ジェイビープレス)

    「データサービスとアーキテクチャーはサーバー群のどこかの『雲』の中にある」 「クラウドコンピューティング」という言葉を最初に使ったのは、米ネット検索最大手・グーグルのエリック・シュミット最高経営責任者(CEO)。2006年8月、米カリフォルニア州で開かれたサーチエンジン戦略会議でのことだった。 仮想メインフレームに「頭脳」を集約 まだ、クラウドコンピューティングのイメージが湧かない人のために、コンピューターの歴史をひもといてみよう。 30年ほど前のコンピューターは「メインフレーム」と呼ばれ、大きな図体で空調の利いた専用ルームに鎮座していた。利用者は端末からメインフレームにプログラムを送って計算をしてもらい、その結果を端末に表示してもらうという形態だった。ネットワークの真ん中に巨大な頭脳がある「城下町」のイメージだ。 しかし、CPU(中央演算装置)の機能やデータ保存技術の飛躍的な進歩が起こり

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  • 遅ればせながら日本の教訓を聞き入れた米国  JBpress(日本ビジネスプレス)

    (2009年5月9/10日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) ここ数カ月間、日の銀行の惨めな歴史は世界に対し、米国について心配する理由をたくさん与えてきた。しかし今、それが多少の慰めも与えてくれるかもしれない。 なぜか。1つの理由は、米政府が先に米国の大手銀行19行に対して実施したストレステスト(健全性審査)にある。 米国の指導者層は過去2年近くにわたり、国の銀行問題について、先送りと否認の姿勢を取り続けた。 2年近く問題を先送りした米政府 まず、金融機関の問題は「封じ込められている」ため、大して深刻ではないという振りをしようとした。次に、自由市場の圧力さえあれば、銀行に問題の大きさを認めさせられると主張した。ゆえに何も政府が行動する必要はない、と。 実際、米国人がそうした立場を取ったのは、決して珍しいことではない。1990年代初頭に日の銀行が最初に不良債権に苦しめられた時

  • ガイトナー財務長官の受難  JBpress(日本ビジネスプレス)

    オバマ政権の財務長官を務めるティモシー・ガイトナー氏は4月22日、講演を行った後に、新しい仕事を引き受けたことを後悔しているかどうか聞かれ、永遠とも思えるほど長い間沈黙した後でこう答えた。 「私は・・・えー・・・非常に光栄に感じている」。聴衆からは、どっと笑い声が上がった。 ガイトナー氏の最初の3カ月間は、まさに受難続きだった。新財務長官としてニューヨーク連銀総裁だった同氏の名前が浮上した昨年秋には、市場が急騰した(下の図参照)。 一時は辞任も時間の問題と言われた だが、今年1月の正式就任から数週間で、個人的な税金問題が露見、評判の悪い金融システム安定化策や大手保険会社アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)の救済に対する反発が起き、ワシントンではガイトナー氏の辞任は時間の問題だと考える人もいた。 経済に対する新たな期待が生まれる中で市場が持ち直すと、辞任の噂は次第に収ま

  • G7中央銀行「非伝統的手段」 | JBpress (ジェイビープレス)

    4月23日、フランス銀行(中央銀行)は「非伝統的な金融政策手段」と題した研究論文を発表した。ロイターの英文報道によると、同論文は「非伝統的な手段」を次の3つに分類した。 (1)「大量のマネー創出」 (2)「期待に影響を及ぼすことによるイールドカーブ上の行動」(いわゆる「時間軸」) (3)「信用緩和」(信用経路が機能不全に陥った場合に中央銀行が直接行う資金供給) この分類をもとに、G7の中央銀行が現在行っている金融政策を整理してみると、以下のようになる。金融危機・世界景気同時後退の震源地である米国の連邦準備理事会(FRB)が、最もアグレッシブに動いてきたことがうかがえる。同時に、欧州中央銀行(ECB)の腰が最も重いことも確認できる。 政策金利水準を含め、もう少し細かく説明を加えたものが、次表。この表で○になっていない枠は、今後動きが出てくる可能性を秘めた部分だと言えるだろう。ECBは5月7日

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  • 世界経済:希望の光?  JBpress(日本ビジネスプレス)

    光は散乱して方向性も定まらないが、小さな輝きがチラチラ見えてきたことは間違いない。 まず、株価が急上昇している。4月下旬に多少下げた後でも、誌(英エコノミスト)が追跡している42の株式市場のうち3分の2が過去6週間で20%以上も上昇している。 様々な地域で様々な経済指標が明るさを増してきた。中国経済は上向いている。世界の製造業の冷え込みも緩んでいるようだ。米国と英国の不動産市場は、住宅ローン金利が引き下げられ、住宅価格に値ごろ感が出てきたことで、蘇生の兆しを見せている。 景況感も上向いている。広く注目されているドイツ投資家心理の指数は、ほぼ2年ぶりにプラスに転じた。 これらは皆、歓迎すべき兆候である。何より、パニックと絶望のせいで、この不況が劇的に悪化してきたことを考えると、喜ぶべきことだろう。2008年9月に金融システムが崩壊の瀬戸際にあった時、投資家は最も安全な資産以外には

  • 経済フォーカス:政治の呪い 政治的な制約が金融危機を長引かせる理由 JBpress(日本ビジネスプレス)

    2009年04月22日(水) [ The Economist ] 経済フォーカス:政治の呪い 政治的な制約が金融危機を長引かせる理由 [The Economist] 日の例からも窺えるように、効果的な処方箋が政治的に受け入れられないために、金融危機が長引く可能性がある …続きを読む

    numbur9
    numbur9 2009/04/22
    finacecricys and Politics
  • 各国利下げ続行 | JBpress (ジェイビープレス)

    カナダの利下げは予想外だった。市場は、カナダ銀行は政策金利である翌日物金利誘導水準を年0.5%に据え置いた上で、23日に発表される金融政策報告で非伝統的手段の導入について発表してくる流れだとみていた。だが、実際にカナダ銀行が選択したのは、0.25%追加利下げと、時期を明示した「時間軸」の付加だった。 翌日物金利誘導水準は、今回の決定で0.25%さらに引き下げられて、年0.25%になった(2007年12月以降の利下げ幅は累計4.25%)。カナダ銀行はこの水準を「ELB(the effective lower bound);事実上の下限」とした。 理由は、「低金利環境で市場機能を維持するため」。市場機能にこだわり続けてきた白川方明日銀総裁にとってみれば、援軍がまた増えた形である(後述するスウェーデンも含め、ストレートにゼロ金利にすることの弊害を意識した米欧各国中銀の動きも1つの理由となり、日銀

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  • ゴールドマンを自由にするな ガイトナー長官が手綱を緩めてはいけない理由 JBpress(日本ビジネスプレス)

    (2009年4月16日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) ティモシー・ガイトナー氏はロイド・ブランクファイン氏を自由にさせてやるべきだろうか? ゴールドマン・サックスの会長兼CEO(最高経営責任者)であるブランクファイン氏は、同社が米国政府の息苦しい支配を振り払う最初の大手銀行になることを切望している。ガイトナー氏は米財務長官として、それを認めるかどうか決めなければならない。 公的資金返済を急ぐ理由 ブランクファイン氏の主張は魅惑的だ。ゴールドマンの将来――そして世界の金融システムの将来――がどうなるか分からないように見えた昨年秋に受け取った100億ドルの税金を返済するのは、ゴールドマンの「責務」だというのである。 ゴールドマンは今、うまくやっているように見える。今週は、18億ドルの最終利益という予想外に堅調な第1四半期決算を発表した。 ゴールドマンはここ数週間、公的資金の返済を

  • ロケット科学者の転身先に注目 金融人材の流動化が新産業を育てる! | JBpress (ジェイビープレス)

    Today is the last day for the ・・・ finance unit of ・・・ group in Japan. I appreciate your support and friendship and I wish you continued success and happiness in the future. My private email adress is ・・・. Please keep in touch. Best regards, (友人各位。日をもって・・・グループ日法人の・・・金融部門は解散となりました。これまでのご厚誼、お力添えに御礼申し上げるとともに、皆様の益々のご活躍、ご多幸を祈念しております。私の個人メールアドレスは・・・です。また連絡を取り合いましょう) 米リーマン・ブラザーズ破綻から半年。幾つもの米欧金融グループが大規模なリ

    ロケット科学者の転身先に注目 金融人材の流動化が新産業を育てる! | JBpress (ジェイビープレス)
  • ゴールドマンCEO、米国の雇用規制を批判 「外国人の採用制限は他国の報復を招く」 JBpress(日本ビジネスプレス)

    (2009年4月8日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 銀行が外国人従業員を採用することを妨げる米国の新法は「保護主義的かつ自滅的」で、米国が不況から回復するために必要な優秀な人材を枯渇させる――。米ゴールドマン・サックスのCEO(最高経営責任者)、ロイド・ブランクファイン氏は7日、こう警告した。 ブランクファイン氏は大手機関投資家の会合で、政府支援を受ける銀行を対象とした新たな「エンプロイ・アメリカン」法は、米国人に対する「懲罰的な措置」という他国からの報復を招きかねないと述べた。 7870億ドルの景気対策法は、納税者のカネを受け取った金融機関が米国内の従業員を削減した場合、すぐにスキルを持った移民向けの「H1-B」ビザを申請することを困難にする。 新法で外国人学生の内定取り消しも 金融機関側にしてみると、米議会の対策は、今回の危機においてウォール街が果たした役割に対する国民の

  • 信じがたいほど縮小する日本経済  JBpress(日本ビジネスプレス)

    (英エコノミスト誌 2009年4月4日号) 日は1度ならず、2度の「失われた10年」に苦しむ危険にさらされている。 「失われた10年」は、1度であれば不運と見なされるかもしれない。それが2度となると、不注意に思える。 株式市場と不動産バブルの崩壊を受け、日経済は1990年代に停滞を続けたが、最近の経済状況は当時以上に厄介に見える。2月の鉱工業生産は前年比38%減少し、1983年以来最低の水準となった。 2008年10~12月期に年率換算で12%落ち込んだ実質GDP(国内総生産)は、今年1~3月期にはそれ以上のスピードで縮小した可能性がある。経済協力開発機構(OECD)は、日のGDPが2009年通年で6.6%収縮し、過去5年間の回復期における経済拡大をすべて帳消しにすると予想している。 16年間も停滞続く 実際そうなれば、日経済は1991年に最初に躓いて以来、平均で年率0.

  • ゆうちょ銀行が抱える大きなリスク BISによる資産リスク評価に大きな欠陥? | JBpress (ジェイビープレス)

    かつて私は、大臣経験者の主催するかなり大きな勉強会の場で日郵政公社の当時の生田正治総裁と議論をしたことがあります。それは、郵貯が抱える資産と負債のミスマッチのリスク、つまりALM(資産負債管理)リスクについての疑問についてでした。 その内容は、週刊ダイヤモンド(2007年12月22日号「郵便局への年金業務委託で民営化の閉塞感を打破せよ」)やメールマガジンなどで既に発表し、また、郵政民営化を議論した2005年の衆議院郵政民営化に関する特別委員会で参考人として意見を述べたのと同じものです。 端的に言えば、銀行経営の最も重要なポイントは、資産と負債のバランスにあります。資産が常に負債を上回ることが完全に確定していれば、リスクなく収益が確定するわけですから最も健全と言えます。 民間銀行は厳しい審査によってリスクを最小化する しかし、金融市場が合理的である限り、そうした状態はあり得ません。というの

    ゆうちょ銀行が抱える大きなリスク BISによる資産リスク評価に大きな欠陥? | JBpress (ジェイビープレス)
  • ドイツ経済に忍び寄る「失われた10年」  JBpress(日本ビジネスプレス)

    (2009年4月7日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 長年、消費が弱く、輸出に依存してきた欧州最大の経済大国ドイツ投資財に対する世界的な需要急減に大打撃を受け、1990年代の日のような「失われた10年」に見舞われるとの懸念が高まっている。だが、経済運営の舵を切るつもりはないようだ。 欧州各地の港に向かってライン川を進むバージは、決してスピードが出るものではない。だが、輸出用の工業製品がうず高く積み上げられたバージは、ドイツの工業力の表れだった――昨年の暮れ頃までは。 ここはドイツ産業の中心地、ライン川とルーア川が合流する巨大な内陸港デュイスブルク。港湾管理会社デュイスブルガー・ハーフェンのCEO(最高経営責任者)、エーリヒ・スターク氏は昨年11月、ある変化に気づいた。「コンテナの取扱量が日を追うごとに激減していった」と同氏は振り返る。 デュイスブルク港に見るドイツの憂

  • G20サミット:オバマ効果  JBpress(日本ビジネスプレス)

    バラク・オバマ米大統領はロシアのドミトリー・メドベージェフ大統領の名前をうまく発音できなかったが、周囲は寛容だった。 実際、オバマ大統領については、ほぼすべてのことを周囲は許した。危機に立ち向かう世界規模の外交に初めて臨んだオバマ大統領は、いつも以上にまばゆいオーラを放っているように見えた。 多くの人がオバマ大統領の言動については善意に解釈しようとしており、その姿勢はロンドンの金融街を埋め尽くし、反資主義を声高に叫んだデモ参加者――一部の参加者は暴徒化してロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)の支店を攻撃し、警察と衝突した――の間にさえはっきり見て取れた。 「ブッシュ前大統領ほどひどいはずがない」 モンキーと名乗るグラフィティアーティストは、友人が信号機によじ登って垂れ幕を掲げるのを手助けしながら、オバマ大統領について「道義をわきまえた人物だ」と評価した。垂れ幕には、大