あぁ、やっちまった……空が青いなぁ。地面に倒れながら、ふと自分の左足を見ると、膝が内側に倒れているのに、登山靴の先は真逆の左外を向いていた。 登山と駅伝をこよなく愛する編集者・花房麗子。GWにオーストラリア・エアーズロックを訪れたものの、下山後に自転車で大転倒、左足を骨折した。海外で怪我をするととんでもなくお金がかかる体験をしてから3ヵ月――ギプスは外れたものの、まだまともに歩けず、登山復活の目処は立っていない。 本来ならば山登りシーズンどまん中の夏。体がうずき、せめて日本の山登り事情を取材してみることにした。するとそこには、驚きの「山岳遭難費用」の現実があった―—。 平成29年の山岳遭難者は過去最多 警察庁の統計「平成29年における山岳遭難の概況」によると、昨年(平成29年)の山岳遭難の発生件数は2583件、遭難者3111人。件数も遭難者数も統計の残る昭和36年以降で最多という。今年に入