アゴラ研究所フェロー 石井孝明(GEPR版) はじめに・「知のフリーライダー」の代わりに考える 内閣府のエネルギー・環境会議が出した「選択肢」を見て、少しでもエネルギーを知るものは誰もがあきれるだろう。稚拙すぎるのだ。そこで国民の3つの選択肢の一つとして「原発ゼロ」が示されている。 しかし、それをどのように実現するのか。説得力のある対案は、民間からも政府からも出ていない。「節電」「自然エネルギー普及」が答えと簡単なことなら誰でも言える。また「原発ゼロ」を感情的に主張することもたやすい。しかしその先にある具体策への考察がない。何も考えず、他人任せにする「知のフリーライダー」ばかりなのだ。 筆者は原発ゼロを愚行と考えるが、その姿を明確にしなければ、コストもリスクも分からない。そのためにシナリオの構想を試みに行う。 しかし、この考察は広範な議論と検証が必要で、多くの「仮定」が重なることになる。今