「誰かがやらなければならない。リコーで業務プロセスを改革してきた私の経験をここで生かすべきだと覚悟を決めました」。 リコー元副社長の遠藤紘一氏は2012年8月、政府の情報システムを統括する最高責任者、政府CIOに就任した。 この重責を引き受けた理由を記者が尋ねたところ、遠藤氏は当初、「女房からは『絶対にやめて』と言われたんだけどねえ」と答え、笑った。「もう46年も頑張ってきたんだから、ゆっくり休んだら、と諭されました」。 1966年にリコーに入社した遠藤氏は、業務プロセスの改革を伴う数々のシステム導入プロジェクトを主導し、生産、在庫、販売などメーカーとしての業務を支える基幹システムを構築した。「今の業務の何が問題なのか」を現場の利用部門と共に考え抜くスタイルで、業務の改革とシステムの導入を成功させた。 そんな遠藤氏も、システム開発をめぐるITベンダーとの折衝では、何度も悔しい経験をしたとい