⚫︎『憧れの世界 ―-翻案小説を書く』(青木淳悟)の、本編に入る前の「まえがき」的な「〈青春懺悔の記〉いかにファンでなかったか ? 」を読んで、本編を読む前に『耳をすませば』(近藤喜文)をちゃんと観ておかないといけないと思って、地元で唯一生き残っているDVDをレンタルしてくれる店まで自転車を走らせて、借りてきて観た。 それで、『耳をすませば』があまりに素晴らしいので驚いてしまった。いや、前に一度くらいは観ているはずなのだけど、こんなに凄かったのか、と。もしかしたら『猫の恩返し』と頭の中で混同してしまっていて、観たのは『猫の恩返し』の方だったかもしれないし、違うかもしれない。それくらいぼんやりした印象しかなかった。 とにかく空間の描出がすごい。運動よりも空間。運動を見せるために空間がある(宮崎駿はどちらかというとこちらだと思うが)のではなく、空間を展開させるために運動があるという感じ。今まで