不倫―実証分析が示す全貌 (中公新書) 作者:五十嵐彰,迫田さやか中央公論新社Amazon 本書はデータを元にした日本の不倫事情についての解説書だ.著者は社会学者の五十嵐彰と経済学者の迫田さやか.この2人は必ずしも不倫の専門家というわけではないが(五十嵐は移民政策について,迫田は所得格差についての研究をしてきたとある),社会学のさまざまな面から不倫について解説してくれている.不倫は進化心理学的にも興味が持たれるトピックだが,定量的なデータは(特に日本についてのもの)はあまり目にすることがなく,基礎的な情報源として読んでみたものだ. 第1章 不倫とは何か 第1章では不倫について概説される.法的な扱い,言語面からの分析,社会科学的位置づけがまとめられている.(以降の小見出しは私が適当につけているものになる) 法的な扱い 日本の民法に「不倫」の定義はないが,民法707条には離婚理由の1つとして「