生まれてから一度も外の空気を吸うことなく、過密状態の檻の中で一生を終える──。こうした家畜動物の飼育環境を向上させるべく、「動物福祉最先端」をゆくヨーロッパの取り組みが新たなフェーズに入った。 EUが「家畜動物のケージ飼育禁止」に向け、動きはじめた。欧州委員会は、家畜を飼育するためのすべての檻や子牛用ペン(牛房)の使用を2027年までに禁止する計画を発表した。 これにより、動物福祉向上を訴える活動家たちの長年の主張が聞き入れられ、ヨーロッパの3億羽を超える雌鶏、母豚、子牛、ウサギ、カモ、ガチョウやその他の家畜動物が恩恵を受けることになる。 仏放送局「ユーロニュース」によると、この動きは2018年、市民団体の呼びかけから始まった。「エンド・ザ・ケージ・エイジ」(檻の時代を終わらせよう)と名付けられたこのキャンペーンに、140万人以上のEU市民が賛同し、動物たちが自由に動いたり外に出たりするこ