石川県金沢に古くから伝わる工芸品「加賀ゆびぬき」。絹糸を1本1本重ねてつくられるその模様の美しさは息をのむほどです。「加賀ゆびぬき」のことが知りたくて、金沢で活動されている作家・大西由紀子さんを訪ねました。 ——こんにちは。今日は「加賀ゆびぬき」のことが知りたくてやってきました。早速見せていただきましたが、すごく綺麗です! ようこそ金沢へ。「加賀ゆびぬき」は、もともと金沢に実用品として伝わってきたものです。金沢は城下町でしたから、美しい着物を仕立てるお針子さんがたくさん居ました。 着物のお仕事って、いろいろな色糸を使うでしょう?当時は糸がとても貴重だったので、残った短い糸やあり合わせの糸を使って、お針子さんがお休みの日に、自分のお道具として「ゆびぬき」をつくっていたんです。 昔の人ってお裁縫が日常のお仕事だったので、私たちが文房具を揃えたり、台所のツールを選んだりするように、裁縫道具を揃え