日本のエネルギー政策はいかにあるべきか――。その方向性を見定めるには、エネルギー政策の方向性を左右する要因を明らかにしておく必要がある。その要因とは何だろうか。こういう問いに対しては、これが決定的な要因だといった、何か1つの答えを用意したくなる。そして、実際に決定的と思える要因をいくつか挙げることができるが、本稿では三つの要因を取り上げる。 シェールガス革命を発端に 世界のエネルギー事情は激変 うえた・かずひろ 1952年、香川県生まれ。京都大学大学院経済学研究科長・経済学部長。京都大学博士(経済学)、大阪大学工学博士。97年、京都大学大学院経済学研究科教授。2002年、同大学地球環境大学院教授兼任。政府の「総合資源エネルギー調査会総合部会」委員、大阪府市「エネルギー戦略会議」座長。著書に「国民のためのエネルギー原論」(日本経済新聞出版社)など多数。 Photo by Masato Kat