中東経済の風景は瞬く間に変わった。原油価格が1バレル140ドルを超え、ドバイのあふれんばかりの活力が多くのメディアで紹介されたのも今は昔。米国発の金融危機が広がり、原油価格も約3分の1に急落、ドバイの建設ラッシュにも急ブレーキがかかった。 比較的落ち着いていた中東情勢も、イスラエルがパレスチナ自治区ガザのハマスと「全面戦争」に突入し、一寸先は闇であることを改めて感じさせた。 しかし、ここではあえて、市場としての中東に改めて目を向けたい。 岐路に立たされながらも、中東全域を見渡せば市場はなお活力を失っていない。エジプトでは農作物の輸出が本格化し、アブダビでは脱・石油に向けた「ゼロ・カーボン都市」建設が急ピッチで進むなど、急速な経済発展で蓄えた財が、成長意欲と底力につながっている。 日本企業にとってもまだまだ多くのチャンスが眠る「ビジネスの大地」中東の、いまだ知られざる魅力を日本経済新聞現地記