【ニューヨーク小倉孝保】カナダの移民評議会が、南アフリカの白人男性を難民と認定したことが波紋を広げている。男性が、「南アでは黒人から繰り返し暴力を受けた」と主張し、同評議会がこれを認めたためだ。南ア与党は「決定は(黒人への)人種的偏見だ」と抗議し、南ア政府は今月2日、カナダ政府に司法判断をあおぐよう求めた。 難民として認定されたのは南ア出身で04年から、カナダに住むセールスマンのハントレイさん。現地からの報道によると、ハントレイさんはカナダ移民評議会に対し、南アでは白人であることから黒人から繰り返し暴力を受けたのに、政府は保護してくれなかったと主張。弁護士などによると、ハントレイさんは南アにいたとき、黒人から「入植者」「白い犬」とののしられ強盗などの暴力を7回、受けたという。 同評議会は政府から独立した組織で、政府の干渉を受けずに難民認定した。評議会の決定に対し、南アの与党・アフリカ民族会