世界的な自動車販売の減少で低迷していた日産自動車の株価が、上昇率でトヨタ自動車を引き離している。今年2月9日の261円を底に、8月4日には一時735円まで上昇。9月中旬は600円前後で推移している。過去半年の日産の株価上昇率は8割近く、トヨタの2倍以上に達している。 牽引役は大きく2つある。 まず中国での販売が好調なこと。中国にはトヨタやホンダも進出しているが、日産の成長率は際立っている。今年1~6月は、中国での販売台数が前年同期比21%伸びた。ほぼ横ばいのトヨタ、12%増のホンダを引き離した。日産は7月の販売も同4割増で、成長のスピードは加速している。 中国の減税で小型車が急拡大 なぜ快走しているのか。日産の中国合弁である東風日産は、「ティーダ」など小型車の品揃えが豊富だ。大型の比率が高いトヨタやホンダよりも1600cc以下のクルマを対象にした中国政府の減税策を追い風にしやすい。 地の利