すしチェーンの喜代村(東京)が展開する店舗「すしざんまい」が11月、金沢市の中心部にオープンした。2015年春の北陸新幹線開業に伴う顧客増大をにらんだ東京資本の進出だが、地元のライバル店からは戦々恐々とする声も聞かれ、すし王国・金沢が揺れている。 「石川のすし屋は職人から魚のうんちくを聞きながらつまむ社交的な場」。老舗すし店「葵寿し」(金沢市)の店主、馳信治さん(67)は話す。地元産の米や日本酒に恵まれているほか、九谷焼の器や輪島塗の箸といった食器もセットにした食べ方が「石川のすし文化」という。 総務省の家計調査によると、外食ですしに支出する金額(10~12年平均)で、県庁所在地と政令指定都市のうち、金沢市は岐阜市に次いで全国2位と「すし好き」は顕著といえる。 新幹線開業を控えて改装が進むJR金沢駅から車で約5分。野菜や魚介を扱う店舗がひしめき、観光客らが訪れる近江町市場の近くに「す