パソコンやタブレットなど、複数の端末をインターネットで使う際に便利なルーターが悪用された「DNSアンプ攻撃」。 ルーターの所有者だけでなく、全利用者に通信障害の影響が及ぶため、プロバイダーは頭を抱えているが、対策は進んでいない。 「なんでネットがつながらないんだ」「全然ネットが見られない」 6月1日朝、長野県諏訪市のプロバイダー「エルシーブイ」に問い合わせ電話が鳴り続けた。同社の利用者は約2万世帯だが、苦情の電話はこの日だけで100件を超えた。 「いったい何が起きているんだ」。同社の武井宏司・システム管理課長(41)が、担当者を利用者宅に派遣して調べてみると、ルーターが通常の数十~数百倍に及ぶ大量の通信をしていることが判明した。「ルーターからの攻撃では」と思いついた武井課長はこの日の夕方、大量通信を遮断した。武井課長は「プロバイダーとしては、利用者一人ひとりにルーターのメーカーと相談するよ