lifewithnet_2015adventcalendar.md 「電車に気いつけなはれや」 父が子供だった頃はまだ自家用車を持っている人が少なかった。だから父が住んでいた西陣の北端あたり、たとえば北大路通りには車はほとんどなく、その代わりに市電(路面電車)が走っていた。ある意味ノドカというか、そんな時代だったが、それでも事故は起きるようで、父が近所の子供たちと遊びに出かけるとき、母親(つまり祖母)からは「電車に気いつけなはれや」と送り出されたそうだ。 路面電車に歩行者が轢かれるような気は余りしないが、実際、車両には前方足元すれすれにバーが付けられており、その後ろに太いロープで編まれた網が張られていた。誰かが飛び出して来たら致命傷にならないように受け止めるのだろう。 時代が進んで、自営業の父は仕事のために自動車を運転するようになった。当時は免許などあって無いようなもので(実際の制度整備は