ミシュランのレストランガイドが日本上陸して8年目。当初は都心の「フランス料理」と和食の中でも「すし」への関心の高さが「偏重」とも言われたが、版を重ねるごとに地域もジャンルも拡大、2014年版から星は付かないがコストパフォーマンスのよい店への「ビブグルマン」マークを採用した。掲載店舗数が倍増するとともに、15年版では不利と言われてきたイタリア料理が79店と、フランス料理111店に近づいた。今回の和食強化では、煮干しの香る東京ラーメン「青葉」(中野区)や、両国駅前で鶏ちゃんこの味を守る「川崎」(墨田区)が、モダンなレストランが並ぶなか存在感を発揮する。 こうした傾向を、1967年初版の老舗グルメガイド「東京いい店うまい店」(文芸春秋)の担当編集者柏原光太郎さんは、「権威としての存在から、海外からの観光客にとっての使い勝手、わかりやすさに重心を移したのではないか」と見る。 国際基準の高級店だけで