怒濤(どとう)の反響だった。約10年の任期を終えた英公共放送BBCの東京特派員が書いた「卒業論文」に賛否両論が相次いだ。「日本は未来だった、しかし今では過去にとらわれている」。そんな見出しの記事に、SNS(ネット交流サービス)では意見が飛び交い、数千、数万単位で拡散して、多くの関連発信が生まれた。記事に込めた思いと反応の受け止めを本人に聞いた。【和田浩明】 「前例がない反響」 1月20日の公開から2日間ほどで、閲覧数は300万に達した。世間の大きな関心を集めているニュース記事ではない、週末の読み物だった。BBCの編集者たちは「前例がない反響だ」と驚いたという。 記事の執筆者は、ルーパート・ウィングフィールド・ヘイズさん(55)。2012年10月から東京支局で日本や周辺諸国の状況などを母国イギリスや全世界に伝えてきた。今は上海を拠点とするアジア特派員に任命されている。記事公開から1週間後、滞