要約: 戦時加算という変な制度のおかげで、オーウェルの『一九八四』はいま著作権フリーなのに『動物農場』はまだフリーでないという変なことが起きている。もはや戦後ではないとか言っていた脳天気な人たちは、こういうところをきちんと片付けておいてほしかったなあ。 ジョージ・オーウェルという人がいた。『動物農場』『一九八四年』といった、社会主義の風化と管理社会化を痛烈に描いたイギリスの文筆家だ。さて、この人の小説がいまおもしろい状況にある。『動物農場』は一九四五年に出た。『一九八四年』は一九四九年に出ている。ところが現在、『一九八四年』は日本では翻訳権が切れている*1のに、『動物農場』は切れていないのだ。 正直いって、『一九八四年』なんてかなり現代の作品だから著作権が切れること自体かなり意外ではあったんだけれど、それは置いておこう。オーウェルがこの本を出した直後に他界してしまったというだけのこと。でも