特定秘密保護法が成立したが、その後の記者会見で安倍晋三首相は「国会審議のやり方を反省している」と言っていた。たしかにもっと時間があればよかったが、筆者は、一部マスコミの騒ぎ方を見て、その本質が問われていると感じた。 マスコミが特定秘密保護法に反対した理由は、(1)政府・行政機関にとって不都合な情報を恣意(しい)的に特定秘密に指定できる(2)厳罰化で、公務員らの情報公開に対する姿勢を過度に萎縮させる可能性がある(3)処罰の対象となる「著しく不当な方法(による秘密取得)」の範囲が不明確で、政府や行政機関の運用次第で、憲法が保障する取材・報道の自由が制約されかねない-の3点だ。 しかし、これらは反対の理由になっていない。いずれも特定秘密保護法が、情報公開法や公務員法の一部法であることを理解していない誤りだ。まず(1)について、特定秘密は情報公開法の公開除外や公務員の守秘義務の部分集合だ。情報公開