これは持論なのだが、インスト曲、つまり歌のない音楽、あれはピーマンみたいなものだと思っている。 あの緑色で苦くて、万年子供の苦手な野菜のトップに君臨するあの野菜、ピーマン。みなさんは小さなころピーマンは好きだっただろうか?僕は嫌いだった。 ピーマンが入った料理が出るたび、何が悲しくてこんな苦い野菜を食わねばならんのかと、怒りに震えながら、あの苦みを少しでも和らげようと味の濃い料理と一緒に無理やり食っていた。 そんな具合だったピーマンが、年を取るごとに徐々に気にならなくなっていった。二十歳を過ぎたころにはあの苦みが美味いとまで感じるようになった。肉詰めピーマンも、小さなころは肉がメインで周りに邪魔者がいるくらいの印象だったのだが、今ではむしろピーマンがメイン。ピーマンの美味さを引き立てるために肉があるのだと思うようになった。 これを読んでいるみなさんがピーマンを美味いと思うかどうかは定かでは