所持金は、1円玉1枚と505円分の電子マネー。飲まず食わずが3日間続き、靴には穴が開いていた。急に厳しくなった寒さが体にこたえ、夜は眠らず歩き回り、昼に駅前のベンチなどに座って仮眠した。 困窮者支援の相談サイトにメールを送ったのは2時間ほど前。同時に相談メールを送った都の窓口からは「まず、電話を」と返信が来たが、携帯電話の料金未払いで通話できなかった。 ふと見ると、相談サイトのメールを見た一般社団法人「反貧困ネットワーク」(新宿区)の瀬戸大作さん(59)が車で現れた。それで「しくった(しくじった)」。支援を断られたら死ねるじゃん、って思っていたから。誰かが助けてくれるなんて考えていなかった。