いま問題になっている教育基本法「改正」を、改憲のための地ならしとか予行演習と見て、だから反対だという方があります。私は憲法学を研究してきた者として、この見方には賛成しかねるところがあります。 教育基本法の改正は、私が考えるには、9条改正よりは影響は大きいかも知れない。9条改正と教育基本法改正と、どちらかがより大きな力を発揮するかといえば、私は教育基本法改正のほうが社会的なインパクト、あるいは歴史的なインパクトのあるものではないかというふうに思います。 なぜなら憲法9条だけを改正しても、その先の戦争を始めるかどうかという段階でつねに国民のコントロールがきく、9条改正をしたところで国民のコントロールはなくならない。というのが一方であるのに対して、教育のありかたを根本的に変えてしまうと、まさに国民がコントロールできない国家というものになってしまいます。そこで私は、教育がいま抱えています大きな、一