同性婚を否定した大阪地裁判決の無限ループ論法 蹂躙される「法の下での平等」 北丸雄二 ジャーナリスト、コラムニスト 「結婚の平等(いわゆる同性婚の権利)を求める」裁判で、同性婚を認めないのは「憲法14条の法の下での平等に違反している」とした2021年3月の札幌地裁(武部知子裁判長)の判決本文は35ページ。その15カ月後の今年6月20日に出た「憲法に違反しているとは言えない」という大阪地裁(土井文美裁判長)の判決本文は42ページ。字数で見て札幌判決より2割ほど長い。 とは言え大阪判決は、先行した札幌判決をも見据えつつ、より精緻に論を構成した跡が窺える、と言うよりかは、ウネウネと蛇行する川のように左右に振れて長くなった印象だ。この回りくどさは何なのだろう? 土井裁判長は、民法は明治時代より現行法に至るまで一貫して「同性間の婚姻」を想定していなかったし、それゆえに議会でも議論された形跡は見当た