英国では、テリーザ・メイ首相の予想外の総選挙敗北から約2カ月半が経とうとしている。 6月29日、保守党の施政方針が英国下院で可決された。メイ首相は総選挙で10議席を獲得した民主統一党 (DUP)との閣外協力を経てようやく少数与党政権樹立に至ったものの、英国のEU(欧州連合)離脱=ブレグジットを巡る状況は選挙前とは一変した。 保守党内では、メイ首相のリーダーシップに対する不満がくすぶり続けている。一方、野党第一党の労働党は勢いを取り戻し、保守党への攻勢を強めている。EU離脱に向けて、英国内が一枚岩になっているとはとても言えない状況だ。 混乱する政治情勢の下、頭を抱えているのが英国に拠点を置く国際企業だ。英国のEU離脱に向けた道筋がますます不透明になり、将来の事業戦略を描くのが一層困難になっている。特に金融機関は、その悩みが深い。現在EU加盟国である英国の金融規制は、当然ながらEUと同じ。英国
子育てをしていると、人間の成長をあらためて感じる。産まれたばかりのころは、そもそも<じぶん>という認識すらない。哲学者の永井均先生の言葉でいえば「私」といってもいいし、自我の中心といってもいいかもしれない。それが、そのうち、モノを見る<じぶん>、モノを触る<じぶん>、何か泣き声を発する<じぶん>というものに気づきはじめる。 そして、大人たちの顔を見ながら、怒ったり、泣いたり、喜んだりする、顔の筋肉の動かし方などを学びはじめる。どういうときに笑うべきか、と。意味はわからない。でも、こういうときには笑うんだ、と体得し、そして、嬉しいときに笑うという意味を後づけで覚えはじめる。 言葉も結局は後づけで、青くて丸い愛嬌あるキャラクターを見ると「ドラえもん」というようになり、肌色のまんまるは「アンパンマン」という。「ちょうだい」といえばなぜか大人たちがモノを渡してくれ、その重なりのなかで「頂戴(ちょう
7月25日、IMFはユーロ圏経済に関する年次報告書で、ECBはインフレ率が目標を下回って推移する中、強力な金融緩和策を長期間維持するべきとの認識を示した(2017年 ロイター/Yuri Gripas) [ブリュッセル 25日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)は25日公表したユーロ圏経済に関する年次報告書で、欧州中央銀行(ECB)はインフレ率が目標を下回って推移する中、強力な金融緩和策を長期間維持するべきとの認識を示した。 ECBは秋に金融刺激策の縮小について議論する構えだが、IMFは物価上昇圧力が十分に高まっていない状況での緩和解除は「時期尚早」と指摘した。 ユーロ圏のインフレ率は2017年に1.6%に加速するものの、18年には1.5%に鈍化すると見込む。ECBは今年が1.5%、18年が1.3%と予想しており、IMFの見通しはECBを上回る水準。 IMFは「インフレ率が目標を長期間下
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1985年、日本銀行に入行。外国為替課長、国際金融為替市場担当参事役などのほか、福井俊彦総裁秘書や政策審議委員専属スタッフを務めた。08年に野村総合研究所に入社、国内外の金融市場やマクロ政策を調査するとともに、研究者や実務家らによる「金融市場パネル」を運営し、先進国を中心に金融政策や金融システム安定化策などの分析、評価をしている。61年生まれ。 経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層 コロナ禍からの回復最中に起きたロシアのウクライナ侵攻や大規模対ロ制裁でエネルギー価格などが高騰、世界はインフレが懸念される局面へと一転。 米中対立の構図にロシアが加わり、分断と冷戦時のようなブロック化の様相が強まる。人口減少や高齢化、巨額政府債務と日本が独自に抱える課題も多い。 不透明な時代だからこそ、巷に溢れる情報の裏側になる「真実」を知り戦略を立てることが必要だ。経済分析の第一人者である井上哲也、熊野英
inside Enterprise 日々刻々、変化を続ける企業の経営環境。変化の中で各企業が模索する経営戦略とは何か?ダイヤモンド編集部が徹底取材します。 バックナンバー一覧 警察署などが有名人を起用して実施する「一日署長」ならぬ、“一日課長”が銀行の監督官庁である金融庁で誕生。その人事をめぐって、銀行業界が一時騒然となった。 その“一日課長”が誕生したのは、金融庁監督局の「銀行第二課長(銀二課長)」という幹部ポストだ。 現在、金融庁は地方銀行に対して、低金利状態や人口減少などの厳しい経営環境における生き残りを懸けたビジネスモデルの改革を迫っている。銀二課長とは、その地銀を担当する重要ポストであり、地銀にとっては直接の交渉相手となる場合も多い。 そのため、人事異動の有無や新担当者の人となりだけでなく、その人選に込められた金融庁上層部の真意にまで思いをめぐらせるほど、地銀が最もその動向を気に
湘南の太陽の日差しを浴びながら、観光客であふれる江の島に向け、一筋の銀色の光が夏空を背景に駆け抜ける。 神奈川県にある湘南モノレールという会社をご存じだろうか。同社が運行するモノレール路線はJR東海道線、横須賀線、根岸線などが乗り入れる大船駅と、一大観光地である江の島の入口に位置する湘南江の島駅との間、6.6kmを結ぶ。 乗車してみると、遮音壁がないために空中からの車窓風景がダイレクトに楽しめることや、高低差のある曲線の多い路線であるために、多くの人が「ジェットコースターのようだ」と言う独特な乗り心地など、他にはない個性が、湘南モノレールにあるのが実感できる。大船―湘南江の島間の所要時間がわずか14分ということも含め、個性や強みが、より広く認知されれば、今後、湘南モノレールが人気路線になる可能性は十分にある。 大手商社出身の社長が経営を変えた 1970年に開業、1971年に全線開通した同路
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