ブックマーク / natgeo.nikkeibp.co.jp (10)

  • 日本人祖先の「3系統説」、定説の「二重構造モデル」に修正迫る

    「日人の祖先はどこからやってきたのか」。このロマンに満ちた問いに対しては、祖先は縄文人と大陸から渡来した弥生人が混血したとする「二重構造モデル」が長くほぼ定説となっていた。そこに日人のゲノム(全遺伝情報)を解析する技術を駆使した研究が盛んになり、最近の、また近年の研究がその説を修正しつつある。 日人3000人以上のゲノムを解析した結果、日人の祖先は3つの系統に分けられる可能性が高いことが分かったと理化学研究所(理研)などの研究グループが4月に発表した。この研究とは別に金沢大学などの研究グループは遺跡から出土した人骨のゲノム解析から「現代日人は大陸から渡ってきた3つの集団を祖先に持つ」と発表し、「三重構造モデル」を提唱している。 理研グループの「3つの祖先系統」説は「三重構造モデル」と見方が重なり、従来の「二重構造モデル」の修正を迫るものだ。日人の祖先を探究する進化人類学はDNA

    日本人祖先の「3系統説」、定説の「二重構造モデル」に修正迫る
  • つらい記憶のフラッシュバックは「テトリス」をやると減る、研究

    2006年、イラクのアルファルージャで、軍用の金属探知機を膝に乗せ、テトリスをプレイする米海兵隊の兵士。(PHOTOGRAPH BY TOBY MORRIS, ZUMA PRESS/ALAMY STOCK PHOTO) 1980年代に世界的ベストセラーになったコンピューターゲームの「テトリス」を、メンタルヘルスの改善に役立てる研究が進められている。具体的には、テトリスをプレイして、性的暴行や自動車事故、戦争、自然災害、または困難な出産などを体験した後に起こるフラッシュバック(過去に経験したトラウマ的な記憶が自分の意志とは無関係に侵入すること)の回数を減らせる可能性があるという。 世界24カ国で実施した調査によると、人が死ぬところを見たり、愛する人が突然亡くなったり、命が脅かされたりする事故に遭ったりするなどのトラウマ体験があると報告した人の割合は70%を超えていた。だが、その後に睡眠障害や

    つらい記憶のフラッシュバックは「テトリス」をやると減る、研究
  • 謎の断層を発見、既存の海底ケーブルを流用で

    新たに発見された断層系は米国カリフォルニア州沿岸のモントレー湾内にある。(PHOTOGRAPH BY FRANS LANTING, NAT GEO IMAGE COLLECTIVE) 米カリフォルニア州モントレー湾の青く輝く海の底に、未知の断層群があることが明らかになった。 学術誌『サイエンス』に11月29日付けで発表された論文によると、この断層の正体は謎だらけ。断層の大きさも、形も、どのくらい活動的なのかもわからない。はっきりしているのは、地震についてよく調べられている地域でさえ、海底の断層地図は穴だらけということだ。これはたいへんな問題である。海底断層の位置がわからなければ、沿岸に住む人々は、自分がさらされている脅威がわからないからだ。 新たな研究は、この「穴」を埋めてくれる可能性がある。私たちが日々メールやツイートや動画を送るのに使っている光ファイバーケーブルを利用すればいいのだ。今

    謎の断層を発見、既存の海底ケーブルを流用で
  • 第2回 山極壽一(霊長類学):サル、ゴリラ研究から現代社会を考える(提言編) | ナショナルジオグラフィック日本版サイト

    人間も生き物の一員として「身体感覚」を忘れないことが、地球永住のカギになるとぼくは考えています。 サル、ゴリラと比べてわかる人間の質 人間とオランウータン、チンパンジー、ゴリラはヒト科(Hominidae)の仲間です。サルとは3000万年前ぐらいに分かれているから、サルとゴリラの違いの方が、ゴリラと人間の違いより大きい。ゴリラはヒトの仲間(ヒト科)であってサルの仲間ではないことを確認しておいてください。 ヒト科のなかで、人類は700万年前にチンパンジーと分かれました。人類らしい特徴として最初に現れたのは直立二足歩行です。それからだんだんと森林から草原(サバンナ)に出て行きます。二足の方が、長距離をエネルギー効率よく歩けます。自由になった手で何か物を運んだはずですが、それはきっと物でしょう。物の分配こそが重要な人類の特徴です。 私の地球永住計画 この40年間、野生のゴリラと付き合って学

    第2回 山極壽一(霊長類学):サル、ゴリラ研究から現代社会を考える(提言編) | ナショナルジオグラフィック日本版サイト
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    op0p0 2018/10/11
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  • 【動画】ゾウが死ぬとその巨体はどうなるのか

    ゾウが死んだ後に起こること:死骸がハイエナやハゲワシにべられてなくなるのも自然の営みの一つだ(一部、ショッキングな映像があります)。(解説は英語です) 70年生き、体重は7トンになることもあるアフリカゾウ。ゾウが死ぬと、仲間のゾウたちは集まってきて、数日から数週間、ときには数年間もその死を悼むことがあるという。(参考記事:「ゾウは取り乱した仲間を慰める」) ただし、ゾウにとっての死は、ほかの動物にとっては生存を意味する。ゾウが息絶えると、ハイエナやハゲワシといった腐肉動物たちが、その死骸を数日で骨だけにしてしまう。数百万カロリーを死骸から得る動物の中には、絶滅危惧種となっているものもいる。大きなゾウは死んでも、そこから別の生命に受け継がれていくのが自然の摂理だ。 ナショジオ ワイルドのテレビ番組「サファリライブ」(ワイルドアースメディア制作)の撮影クルーは最近、南アフリカで死んだゾウの

    【動画】ゾウが死ぬとその巨体はどうなるのか
  • 中世のインクと刺さないハチの意外な関係(井手竜也/ハチ研究者)

    昆虫と人は意外なところでもつながっている。例えば、ペンを使って文字を書く。当たり前のことだが、それにはインクが必要だ。ペンとインクの歴史は古いが、今日多く利用されているインク内蔵型のペンが普及する前は、ペン先にインクをつけながら使う、いわゆるつけペンが主流だった。 そのつけペンのインクとして、古くから用いられているものに「没子インク(もっしょくしインク、iron gall ink)」と呼ばれるインクがある。ブルー・ブラックが主な色合いのこのインクは、耐水性に優れ、製造も容易であったことから、中世ヨーロッパでは広く用いられた。現在も製造は行われており、古典インクと呼ばれ、親しまれている。実はこの没子インクの製造には、とある昆虫が欠かせない。 その昆虫というのが、筆者が日々研究している「タマバチ」というハチだ。世界で約1400種がこれまでに見つかっているハチなのだが、ほとんどの種が体長5m

    中世のインクと刺さないハチの意外な関係(井手竜也/ハチ研究者)
  • 第4回「方言」と「言語」の違いとは

    木部さんは、「消滅危機方言の調査・保存のための総合的研究」という共同研究のプロジェクト・リーダーだ。 この研究を国立国語研究所が各研究機関と連携して行う背景には、やはり、2009年のユネスコ発表の影響がある。なにはともあれ国連機関が国際的スタンダードとして示した危機言語の中に、日国内で話されているものがいくつも含まれていたのだから。 目下のところ年に1~2カ所のペースでフィールドワークをして、危機言語の記録を作っているのだそうだが、そこに行く前に「方言か独立言語か」という問題に軽く触れておこう。 ユネスコの危機言語の発表が報道されたとき、多くの人が「八丈語や奄美語」って方言じゃないの? と感じたようで、木部さんもよく質問されたという。この素朴な疑問の背景には、純粋に言語学的というより、歴史、社会、文化政治などが複雑に絡まった複合的な事情が横たわっている。 木部さんによると──

  • 第5回 実は世界の最先端だった旧石器時代の日本列島

    「──州ですと、伊豆七島の中に神津島っていう島がありますけど、そこまで黒曜石(こくようせき)を取りに行ってるんですね。黒曜石って産地分析ができるので、神津産の黒曜石がもう3万8000年前ぐらいから静岡のあたりで出るんです。明らかに取りに行ってるんですよ。これも世界最古級」 「──静岡県の遺跡で見つかった落とし穴があるんです。この写真は現在の表土を全部剥いで3万年以上前の地表面を出したところですが、小さな谷筋に丸い穴がいくつも空いている。で、旧石器時代の落とし穴って、日にしかないんです。しかも3万年前を超えてますので、世界で最古のわな猟の証拠ですよね」 「──長野県あたりでよく出てくる、砥石ですとか、刃の先を磨いた石斧(せきふ)があるんですが、こういう磨製の技術って、新石器時代になってから世界各地に普及するんです。日のものは、オーストラリアと並んで世界最古級なんですね。日で発明された

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    op0p0 2016/04/17
  • 第1回 色覚はなぜ、どのように進化してきたのか

    ふだんの生活で、ぼくたちは日々、目を通したいわゆる視覚情報に晒されている。 もちろん、耳や鼻や皮膚などにある様々なセンサーを通しても、環境を認識しているわけだけれど、その中でも、目からの情報は膨大で、圧倒的に思える。活字を読むのも、ネットを見るのも、主に視覚情報を通じてだ。 そして、ぼくたちの視覚には「色」がある。赤だとか緑だとか青だとかを区別できるというのは、ただ明るい暗い(明暗)だけを識別するよりも、便利なことが多いし、しばしば、「美」を感じるきっかけにもなる。情緒的な言い方にすぎるかもしれないが、色覚があるからこそ、世界は彩りにあふれて、美しい。 実は色覚について、強い関心を持ってきた。小説の中でも、特異な視覚を持った一族を登場させたことがある(『天空の約束』と『雲の王』)。もっと知識を深めたいと思っていたところ、東京大学の柏の葉キャンパスに、色覚をめぐって幅広く、かつ、深く追究して

    第1回 色覚はなぜ、どのように進化してきたのか
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    op0p0 2016/02/01
  • 第30回 夜勤の心得 –時計はそのまま、眠気に対処−

    睡眠研究という仕事柄、夜中に検査や実験をすることが多い。一段落ついて家路につくと深夜になることもしばしばだ。 私が研修医だった20数年前は、コンビニの数も少なく、夜中に開いているスーパーやファミレスなどごくわずか。小腹がすいてもカップラーメンをすするのが関の山であった。今では夜間営業の店が至る所にある。深夜だろうが、明け方だろうが、べ物に困ることがない。 ほかにも、映画館、カラオケ、漫画喫茶、銭湯や美容院などなど業態も実に多種多様。このような便利生活を支えているのが夜勤(交代勤務)の従事者である。今や就労人口の約3割が何らかの交代勤務に就いている。そしてその約3分の2が22時から5時にかかる、いわゆる夜勤に従事している。24時間、365日、いつでも誰かが誰かのために働いている。働く人がいればその子供をみる深夜保育の職員もいる。まさに夜勤の連鎖である。深夜保育士の子供はダレが面倒をみている

    第30回 夜勤の心得 –時計はそのまま、眠気に対処−
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    op0p0 2015/08/06
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