第2回 カイゼンの前にムダを「ヤメル」第1回で記述した疑問が再び頭をもたげてくる。ただでさえ登るのが難しい崖なのに，これほど広範囲で細かな見える化を実践するのでは，ハードルをさらに上げるようなものではないのか，と。しかし，そのための「手立て」がダイセル式にはあらかじめ組み込まれている。 ダイセル式を導入した東洋紡敦賀事業所敦賀機能材工場ナイロン製造部ナイロン紡糸グループで，製品の検査・仕上げを担当する景山真奈美氏は，「最初は確かに嫌だったけど，次第に面白みや楽しさを感じるようになった」と話す＊。実は，これに深く関係しているのが，(1)最初に徹底的に業務の見える化を実施する（ミエル），(2)そこで表面化したムダを何より先に取り除く（ヤメル），(3)カイゼン活動に入る（カワル）のうちの，(2)ヤメルという工程だ。 ＊ ダイセル化学工業は，ダイセル式の導入を希望する企業にコンサルティングを実施している。 ヤメルは，従来型のカイゼンに
