2 JR Iレビュー 2014 Vol.9, No.19 目 次 1.はじめに 2.消費者負担の推計方法 3.所得階層別の負担構造 4.年齢階層別の負担構造 5.今後の負担構造の変化 6.政策提言 農産物の高関税政策が消費者に及ぼす影響 ─低所得者・高齢者の負担感が大きく、負担割合も拡大傾向─ 調査部 上席主任研究員 枩村 秀樹 農産物の高関税政策が消費者に及ぼす影響 JR Iレビュー 2014 Vol.9, No.19 3 1.わが国の農業支援は、規模でみればEU並みの水準ながら、その手段が高関税による価格維持政策 に偏っていることが特徴である。現在交渉中のTPPでも、農産物の関税が大きな障害となっている。 さらに、高価格維持による農業支援策は、購買力の低下を通じて、消費者に負担を強いるという問題 点もある。 2.実際、消費者負担を推計すると、高関税農産物は基礎的支出であるため、相対的に