子供が大人の手を取って、やってほしいことをさせようとする行動が、対人関係の発達を考える上で重要な意味を持つとする研究成果を、聖心女子大の川上清文教授(発達心理学)らのグループがまとめた。子供たちが自分にはできない限界を知り、代わりに大人にやってもらおうとする行動と考えられるという。12日に東京大で開かれる日本赤ちゃん学会で発表する。 この行動は大人の手をクレーンのように操るため、「クレーン行動」と呼ばれ、1歳ごろから現れる。相手と目を合わせず、手しか見ていないことが多いため、コミュニケーション能力の発達に遅れがある子供に多く、人を単に道具として扱うと考えられてきた。 研究グループは、1歳半~2歳半の幼児22人とその母親に30分間パズルで自由に遊んでもらい、様子を1組ずつビデオで撮影した。2人の専門家が判定した結果、約半数の10人が計31回のクレーン行動をした。うち18回は母親のひざに座り、