SAKEROCKには前に一度取材させてもらったことがあって、去年は4~5回ライヴを観た。ファンと言ってもいいくらいで、Tシャツも買った。それなのに、彼らのことはよくわからない。スウィンギーなエキゾ集団? ジャズをベースとしたチンドン屋? なんだか違う。そもそも、「他人にどう説明していいものかわからないバンドである」という以前に、自分自身が彼らのことをよくわかっていない。SAKEROCKのCDを聴いたり、ライヴを観たりすると、「この人たちはなにをしているんだろう?」という疑問がいつも頭に浮かんでしまう。そんなバンドなのに、ライヴではいつも若者たちを爆笑させつつ躍らせ、動員も観るたびに増えている。 大袈裟に言ってしまえば90年代の音楽の聴き方は、「あるバンドがどういう位置にいて、そのサークルには他にどういうバンドがいて、さらにそのルーツは誰なのか」といった風に音楽を体系付ける作業というか、枠に