前回登場した「星一徹」タイプの上司には、大きな反響をいただいた。ただし、その積極的すぎる姿勢に対しては少し敬遠する声も聞かれた。今回登場するのは、組織を盛り上げていく万能型のマネージャーだ。スネオ上司やマスオ上司が並ぶ丸定商事の営業部課長会議で、その手腕の片鱗が見え始めた。 また、前文で紹介しなかった「ダメおやじ」上司の回を読む方はこちらから。 2010年7月9日16時30分。 丸定商事・営業部会議室――。 「みなさん、お忙しいところありがとうございます。本日は、今後の営業部の業務の進め方について、少し、ご相談を差し上げたいと思っています」 金曜日の夕方は、隔週で定例の営業部課長会議になっている。司会はいつも2課の島田幸作課長。田中部長と、4人の課長にあわせて、各課から1名ずつ補佐が参加する。高村圭吾は3課の補佐。2課からは同期の中川丈人、1課はしばらく空席だったが、先月から石田美子が出席