クラブや音楽フェスでプレイされるハウスやテクノなどのダンスミュージックも、じつはレベルミュージックだった・・・・・・?ベルリン在住の音楽ライターであり翻訳家でもある浅沼優子が、ダンスミュージックの歴史的背景について紹介する。 深夜のクラブでお酒などを飲みながら、反復的なビートに身を委ねて踊り明かすという行為は、一見するとレベルミュージックのイメージとは対照的かもしれない。メッセージ性を前面に押し出したパンクやレゲエ、ヒップホップ(それらも広い意味でダンスミュージックではあるのだが)といった音楽と比較すると、ディスコ、ハウス、テクノ、ドラムンベースなどの、クラブで人を踊らせることを目的とし、また、大音量でDJにプレイされることを想定して作られた楽曲そのもののメッセージ性は薄い。ここで便宜的に「クラブミュージック」として区別する、これらのスタイルの音楽には、ほとんどの場合、いわゆる政治的な歌詞