『セーター植物』の典型とされる、ワタゲトウヒレン セーター植物とは、特徴的な毛状突起に覆われている種を指す日本語(俗称)。 大幅に低い気温や湿度といった植物にとって厳しい環境における生存戦略として、進化の過程で大量の毛状突起(トライコーム、線維性の外皮)を発達させ、外観がセーターを思わせる形態となった寒冷地に生息する植物(日本の高山植物を含む)の一部を指す。 寒冷地に生息する植物域の世界の保温および太陽エネルギー吸収に寄与するものと考えられる。 高山では低温によって植物の生育が制限されやすい。また花粉媒介を昆虫に頼る場合、昆虫の活動も低温による制約を受ける。これらを補う方法として、植物体表面に密毛や長毛を多量に生じ、植物体表面を覆うのがセーター植物である。これには保温の効果と共に、夏季の生育期に太陽エネルギーを吸収して開花の促進を図るものとされる[1]。他方でこれが花粉媒介を行う昆虫を誘う