*前篇はこちら アメリカ合衆国では2012年、大統領選で熱い闘いが繰り広げられ、オバマ大統領が11月6日圧勝しました。実はこの時、カリフォルニア州では遺伝子組換えの表示義務化の是非を問う州民投票も行われました。 合衆国政府は、遺伝子組換え作物は非組換え作物と食品として同等である、という理由で、表示を義務づけていません。そこで、カリフォルニア州で独自の表示制度の立法運動が起こり、州民投票にまで持ち込まれたのです。そして、「表示イエス派」と「表示ノー派」が激しい運動を繰り広げました。 日本では、食品としては同等であっても消費者には区別して選ぶ権利があるとして、検査で組換えと非組換えを識別できる食品については、表示が義務づけられています。 カリフォルニア州法案も、消費者の「知る権利」を尊重すれば当然と見えます。ところが、法案の中身や解説文書をよくよく読んでみると、じつはそれほど単純な話ではありま