人によっては、これを『錚々(そうそう)たる顔ぶれ』とでも呼ぶのだろうか。 宮殿の〝白頭鷲(はくとうわし)の間〟には、七選帝侯のうち五人までがすでに集結していた。それぞれが、円卓のいつもの席に着いている。 フェリクスの左隣には、ブロークヴェーク侯ゼップルが座っていた。またしても、何かをくちゃくちゃと食べている。 その対面にいる神経質なところのあるアイトルフ侯ヨハンが、物言いたげにそんな彼を睨んでいた。 彼の左にいるダルム侯シュタッフスは、相変わらず無表情で掴みどころがない。そこに言い知れぬ不気味さを感じることもあるのだが、取り立てて何か悪いことをしているわけでもなく、それなりに領地をうまく運営しているいい領主だといえた。 この中でもっとも気になるのは、やはりハーレン侯ギュンターだろうか。 てっきりこの帝都で再び侯かマクシミーリアーンが接触してくるものと思っていたのだが、今のところこれといって