(左)経済アナリスト 森永卓郎さん/獨協大学経済学部教授。年収300万円時代の到来をいち早く予測。近著は『消費税は下げられる! 借金1000兆円の大嘘を暴く』(角川新書)。(右)森永さんおすすめの本 理論的には、なるべく無駄のないよう効率的に資源配分するのが経済学です。でも私は、経済学にはもうひとつ大きな柱があると思っています。それは「厚生経済学」。どういった経済状態になれば、人は満足度が高い状態になれるのか。どうしたら人は幸せになれるのかを考える分野です。今、自分が完全に幸せではないと思うのならば、なぜそうなっているのかという観点から経済学を勉強し始めるのが、わかりやすくていいのではないでしょうか。 「なんでこんなにクタクタになるまで働かなければ自分の生活は成り立たないのだろう」「上司の理不尽な要求に応えているのに、なぜ自分の給料は上がらないのだろう」という身近な疑問から、今の経済の仕組