「強い経済、強い財政、強い社会保障」を掲げて誕生した菅政権だが、いまやその姿は全く見えない。一方、世界に目を凝らせば、高い成長と充実した社会福祉を実現している国がある。その一つが北欧のスウェーデンである。 スウェーデンは、1990年代にバブルの崩壊で、日本をも上回る金融危機を経験した。日本との違いは、その90年代に税制、財政、福祉、年金制度について、「世紀の大改革」と呼ばれる構造改革を敢行したことだ。 もちろん、社会保障も含めた国民負担率は65%と日本の39%を大きく上回るが、国民はこのスウェーデン・モデルを支持している。いまや同国は高福祉・高負担の停滞した国ではない。 スウェーデンはどのような改革を行い、競争優位を確立していったのか。2004年から06年に、財務大臣を務めたペール・ヌーデル氏の特別寄稿を掲載する(※本寄稿は11月中旬に日本総合研究所主催で行われたシンポジウムおけるキーノー
(英エコノミスト誌 2010年12月11日号) 2008年の記憶がアジアの政策立案者たちに影響を及ぼしている。 中国にあるウォルマートは、ほかの地域のウォルマートとはやや趣が異なる。中国の店舗は生きた亀やカエルを売っている。また、従業員が労働組合に加入することも歓迎される。 そして今、ウォルマートが6店舗を構える中国南部・昆明市では、同社ならびに同業他社はいかなる値上げについても、48時間前に政府当局に報告し、その正当性を説明しなければならない。 アジア諸国を困惑させる物価上昇 こうした価格統制は、現在、年間4%超で推移しているインフレと戦う中国の型破りな手法の1つだ。物価上昇は、アジアのほかの発展途上国も困惑させている(図参照)。 アジア地域の政策立案者たちは、いまだに金融危機に見舞われた2008年秋の再来を恐れている。だが、より大きな脅威は、コモディティー(商品)価格が急騰した同年春と
スペインはもう少しで、財政赤字を抑えられていると市場を納得させられるところだった。 だが、投資家は3週間前にまとまった850億ユーロのアイルランド救済に動揺し、スペインの脆弱な貯蓄銀行や、2011年に到来する公的部門と民間部門の多額の債務借り換えニーズに目を向けるようになった。 その結果、スペインは堂々巡りの債務の罠に陥る恐れがある。投資家の懸念が国債利回りを押し上げており、利回りは12月15日まで8営業日連続で上昇した。これが資金調達を難しくし、スペインの資金調達負担を高め、それが今度はさらなる不安と一段の利回り上昇を招いている。 外国資金への依存と多額の債務借り換えニーズ 格付会社ムーディーズは15日、「資金調達のストレスに対する脆弱性」などを理由に、スペイン国債の格付けを現在の「Aa1」から引き下げる可能性があると発表し、この悪循環を一段と強めた。ムーディーズは市場の信頼不足によって
イタリアでは日本関係シンポジウムのスピーカーの1人として講演させてもらった。薄々感じてはいたが、今回の主催者側の発言には少なからずショックを受けた。 「本日はどうにか満席となったが、人集めには結構時間がかかった。これが中国関係であれば、発表と同時に申し込みが殺到するのだが・・・」 さらに詳しく聞いてみると、近年中国については政治、経済とも非常に関心が高く、特にシンポジウムなどには多くの若い学生が熱心に参加するという。これに対し、テーマが日本である場合、関心は昔ほどではなく、学生よりも中高年の参加者が多いらしい。 「イタリア人は日本が大好きなんだけど・・・」と主催者は申し訳なさそうに弁解していた。確かに、言われてみれば聴衆の中に若い人は少ない。 会場全体も心なしか活気がないように思えてくる。内心覚悟はしていたことだが、欧州で日中の差がこれほど広がっていたとは正直思わなかった。 状況は翌日近く
(2010年12月16日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 世界は中国の猛烈な変化のスピードに慣れた。また1年経つと、また10%成長する。だが、思春期の子供の身長が急に伸びる様子をドアの柱に印をつけて観察する親のように、経過を追うことには一定の意味がある。 これは単に、中国の成長を記録するということではない。むしろ、筆者の念頭にある節目は測定するのが難しいものだ。 大きな節目を迎えた2010年 確かに今年は、ドル建てで見た中国経済の規模が日本経済を追い抜いた年であり、このために2010年は確実に歴史教科書に残るに違いない。だが、この1年は別の意味でも、中国の復興にとって極めて重大な年だと見なされるだろう。以下、柱に刻まれた7つの印を順不同に挙げる。 渋面外交 : 今年はアジア地域における中国の「微笑外交」が渋面に転じた年だった。 これは誇張されかねない話ではある。自己主張を強める中国政府の
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く