パンやパスタ、ケーキなど日本人の食生活にも欠かせない小麦。ところが昨今では、小麦のグルテンがもたらす健康上の問題の増加、また、ロシア・ウクライナ情勢の悪化に伴う世界的な小麦不足による価格高騰と、小麦を取り巻く状況には逆風が吹いている。そうした中、イタリアでは古代品種の小麦が注目を集めている。グルテンアレルギーを発症しにくいという古代小麦をご紹介したい。 昔ながらの自然の小麦とは 小麦は人類が最初に栽培したといわれる植物で、その起源は約1万年前ともいわれている。イタリアでも古代ローマ時代には小麦栽培に力を入れており、当時すでに発達していた製粉技術で小麦を原料としたピザの原型やパンを日常的に食してしていた。 産地直送マーケットで販売されるデュラム小麦の古代品種「セナトーレ・カッペッリ」 乾燥させて長期保存が可能な小麦は古代の人にとって重要な食材であり、何世紀にもわたって、イタリアでは栽培が続け