夏休みのさなか、今年も各地で水難事故が相次いでいる。中でも、溺れる子どもを助けようとして、救助者が巻き込まれるケースが目立つ。「むやみに水に入ってはいけない」と頭では理解していても、もし大切な人が溺れていたら、きっととっさに飛び込んでしまうだろう。水難学会理事斎藤秀俊さん(61)=長岡技術科学大学大学院教授=に飛び込んでしまうことを前提に対処法を聞いた。(鈴木麻美) 14日、岡山県新見市の高梁川で、島根県雲南市の中学2年(13)と小学3年(8)の兄弟が川に流され、兄が死亡した。弟は父親に救出され、命に別条はなかった。兄は、川に流されたサンダルを拾おうとして溺れた弟を助けに入ったところだったという。6月には、岡山県玉野市の池に転落した小学1年の女児(6)を助けようとした曽祖父(80)が溺死する事故もあった。 浮いて待つ 斎藤さんは水難学者として、救助する際に飛び込まないように呼びかけるものの