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ブックマーク / bijutsutecho.com (3)

  • シミュラークルとシミュレーション

    シミュラークルとは、語源的に「表象、イメージ」の意であるラテン語「simulacrum」に由来し、一般的には現実を別の何かで置き換えたものを意味する。プラトンの存在論において、イデアに劣る模倣を、さらに模倣するものとして望ましくないとされたシミュラークルを、ジャン・ボードリヤールは著書『象徴交換と死』(1976)および『シミュラークルとシミュレーション』(1981)において、それがたんなる模倣の模倣ではなく、現実の記号化の操作であるとし、その重要性を示した。 シミュラークルの歴史的発展は、「前近代」「近代」「現代」における価値法則の変動に対応する。 ルネサンスから産業革命までの「前近代」における価値は、自然および神の恩恵として生じる「自然的価値法則」にしたがうものであった。この時代のシミュラークルは「模造」である。封建的秩序がブルジョア的秩序によって解体された「前近代」では、それまで特定の

    シミュラークルとシミュレーション
    p_shirokuma
    p_shirokuma 2022/02/18
    ハイパーリアル。目の前にある。
  • バンクシーはなぜ「医療従事者への感謝」を風刺画に仕立てたのか? パンデミックの表現とストリートの作法

    バンクシーはなぜ「医療従事者への感謝」を風刺画に仕立てたのか? パンデミックの表現とストリートの作法バンクシーが5月7日に発表した新作《Game Changer》。看護師の人形を手にした子供を描いたこの作品は、新型コロナウイルスと闘うサウサンプトン病院で展示され、オークションにかけられることがわかっている。バンクシーがこの作品に込めた意図とはなんだったのか? バンクシーに詳しい鈴木沓子が読み解く。 文=鈴木沓子 2020年5月7日、ロックダウン中のイギリスで、バンクシーが新作を発表した。 新型コロナウイルスの現場で闘う医療従事者を讃える作品が、イギリス南部サウサンプトン総合病院に寄贈された......と報道されたが、これに違和感を感じた人は少なくなかったようだ。 この日のSNSでは作品は「医療従事者への敬意」か「大衆やメディアへの皮肉」なのかと議論を呼んだ。一見わかりやすいようでわかりにく

    バンクシーはなぜ「医療従事者への感謝」を風刺画に仕立てたのか? パンデミックの表現とストリートの作法
  • 櫛野展正連載26:アウトサイドの隣人たち 「健常」と「障害」の狭間で

    櫛野展正連載26:アウトサイドの隣人たち 「健常」と「障害」の狭間でヤンキー文化や死刑囚による絵画など、美術の「正史」から外れた表現活動を取り上げる展覧会を扱ってきたアウトサイダー・キュレーター、櫛野展正。2016年4月にギャラリー兼イベントスペース「クシノテラス」を立ち上げ、「表現の根源に迫る」人間たちを紹介する活動を続けている。彼がアウトサイドな表現者たちに取材し、その内面に迫る連載。第26回は、独学で3DCGソフトを習得し、オリジナルのキャラクターを描く新井啓介を紹介する。 新井啓介の作品 「息子がね、こんな絵を描いとんです」。 僕が運営しているギャラリー「クシノテラス」にやってきた白髪の女性が見せてくれたのは、コンピューターグラフィックスを駆使して描かれた女性やロボットのイラストが出力された紙の束だった。初見では、どこかで見たことがあるようなキャラクターに思えたが、よく見るとそれは

    櫛野展正連載26:アウトサイドの隣人たち 「健常」と「障害」の狭間で
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