重い障害を生きるということ (岩波新書) 作者: 高谷清出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2011/10/21メディア: 新書購入: 4人 クリック: 51回この商品を含むブログ (16件) を見る 書評めいたものを書こうとして、まず概要として「長年『重症心身障害児』と関わってきた医師が、その歴史と」まで書いたところで、あとがうまく続かなかった。表現としては少し不格好だけれど「重症心身障害児から見た世界がどんなものか」を明らかにしようとする」ということになるのだろう。 障害の「重さ」ゆえに価値を否定されやすい人々が社会的に十分な支援を受けてこられなかった歴史を踏まえれば、その「存在」そのものに意義を見出そうとするのは理解できる。3章に書かれた戦中戦後の社会は「治らない障害」についての冷淡さを露骨に表している。福祉的な支援などほとんどなく、医療が最後の砦となる中で「治らない者に医療は必要