泣かせにきやがって。泣かせやがって。 初期脚本家で今回一部脚本でクレジットされた首藤剛志はこう言っている。 おそらくサトシにとって、『ポケモン』の空想の冒険世界に旅立ったのは、少年期のほんの一瞬なのかもしれない。 子供が最も冒険心に満ち溢れていた一瞬だ。 その世界では、ロケット団以外の大人も、子供から見た大人しか出てこない。 登場する大人は、協力者か、ロケット団以外の悪役は類型的な子どもの考える悪役である。 子供が憧れるような大人は、ほとんど出てこない。 アニメ世界の警官はいつでもジュンサーという名前で登場するし、ポケモンセンターの女医はジョーイという名前でしか登場しない。 この人たちは登場するたびに、その土地土地で違う人間のはずなのだが、名前も変わらず年齢も違わない。 様々な人がアニメに登場するが、誰も歳を取らない。 ただし、ポケモンだけが進化という名で成長していく。 『ポケモン』の世界