菅義偉内閣総理大臣は、日本学術会議の新規会員として推薦された105名のうち6名の任命を拒否しました。 各所の抗議声明や識者が指摘するように、この任命拒否は何よりも、会員が同会議の推薦に基づいて内閣総理大臣が任命するという同会議の法規定に照らして、違法性の疑いが強い行政処分です。 加えて、菅内閣総理大臣は6名を任命しなかった理由を公にしていません。説明なく任命が拒否できることになれば、同会議の推薦は実質的に無効化されます。日本学術会議は、今後、政権に忖度して新規会員を推薦せざるを得なくなるでしょう。 日本学術会議は、数ある良識的な日本の学術組織のひとつです。同会議には、早稲田大学からも多くの研究者が、会員・連携会員等として貢献をしています。しかしながら、学術的な根拠をもとになされた決定が、理由を明らかにされることなく拒絶されるという今回の事態は、単に日本学術会議の問題にとどまらず、学問の自由