暴力団の有力傘下団体が、全国の裁判所の競売で少なくとも32か所のビルなどを入手し、組事務所にしていたことが、日本弁護士連合会民事介入暴力対策委員会(民暴委)などへの取材で分かった。 競売の入札参加規定に暴力団排除条項がないためで、組長本人が落札したケースも11か所判明。民暴委は競売に同条項を設けるため、民事執行法の改正を求める方針だ。 暴力団の不動産取引は、主に都道府県の暴力団排除条例で禁じられており、民暴委によると、43都道府県では条例により、組事務所として使用することを知りながら不動産を譲渡することはできない。しかし、裁判所が主催する競売は暴排条項がなく、組員や組幹部が自由に入札に参加することが可能になっている。 民暴委などによると、北海道、千葉、神奈川、岐阜、京都、大阪、広島、長崎の8道府県で1985年以降、計32か所の組事務所が競売で取得されていた。このうち北海道、岐阜、大阪、広島